The proof which is sticking in a scruff
スバル成り代わり。キスマーク「首筋」
・シュウ視点
やってしまった。
リビングのソファーで無防備に寝ていたユリアを見ていたら勝手に体が動いて、さらされている首筋に痕をのこしていた。 ユリアが起きないのを良いことに、白くて綺麗な肌に誘われた俺は、小さくそこだけ真っ赤に色付いた肌を見て冒頭のように思ったわけだ。
「ん……、う」
「!?」
ユリアが顔を横にずらしたことで、俺の顔と必然的に近くなる。そのせいで驚いてしまう。
伏せられた瞼は動く気配がない。それもそうだ。ユリアは休みの日になると寝るのも止めてずっとゲームをしているから、疲れもあり、深い眠りを誘ったのだろう。その癖は止めて欲しい。俺はどこでも寝れて、いつでも眠れるから良いとして。ユリアは一人称は「俺」であれど、女なのだ。男の俺と違って、女が無防備に眠っているのはどうなのだろうか。こんなことを思うのはユリアが妹で、尚且つ俺が好きな相手だからだろう。他の女だったら別に構わないのに。
「……ん、あ…、ふぁ……」
ユリアがあくびをした為、俺は顔を離して距離をとった。
「あ、……寝てたのか。俺は」
目元に溜まった涙を手の甲で拭ったユリア。
「よく寝てたな」
「兄さん!?」
俺がいたことに気付いたユリアは切れ長な目を丸くして驚いた。
「俺、何か変なこと言ってないよな?」
「ああ」
寝言の心配をする妹がこんなに可愛いなんて。けれども俺は妹にしてしまったことを思い出して我にかえる。
キスマークを残してしまった事実は彼女の首筋で一目瞭然だ。何日かしないと消えはしないだろう。完全にやってしまった……。
「兄さん?」
「何でもない」
寝てるユリアにキスマーク付けてました、なんて言える訳がない。
その後自分の部屋に帰って後悔したわけだが、次の日
「あれ〜? ユリアちゃん、それどうしたの?」
「あ?」
「く・び・す・じ、紅くなってるよ。鏡で見てきたら?」
ライトめ……。
首筋の痕に気付いたライトがユリアにそう言ったのだ。
「はぁ? ただの虫刺されだろ」
悪いユリア、それは俺が付けたキスマークだ。
「んふ、そうかな〜」
今のは完全に俺に向けて言っていた気がする。
「薬塗っとけばなおんだろ」
もう本当にこのイケメンすぎる妹をどうにかしてほしい。
@@後書き@@
・「スバルちゃん」とあったのでスバル成り代わりのことで良いんでしょうか?
・首筋にキスマーク。シュウだけに執着してるんですかね、スバルちゃんに。
・多分スバル成り代わり主が痕を見たら、蚊に刺された程度にしか思わないんだろうな。
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