That's the shape of one of love.
シュウ♀でルキ夢







「結婚を前提に付き合ってくれ」

「は?」

「いいや、付き合え。『はい』か『yes』で答えろ」

「それどっちも肯定なんだけど」




そんな会話をしたことは記憶に新しい。と、ルキは思った。逆巻の長女であるユリアは数日後にその答えを出した。その時の言葉はこうだ。

「結婚するかは置いといて、私を束縛とか、邪魔しないなら付き合ってやるけど」


ルキは彼女の答えを聞き、歓喜に満ちた。 そして今日のデートまで漕ぎ着けた、のだったが…… 。


「なぜ来ない」

待ち合わせの時間になっても彼女はルキの前に現れなかったのだ。
連絡を取ろうと携帯に手を出して彼女の番号をかけた。コール音が数秒流れた後に彼女の声が聞こえた。しかし、それは携帯ごしではなく後ろから聞こえてきた。

『……なに』

「遅れるなら連絡をしろ」

『やだ』

「おい」

いつもの眠そうな目はそこにはなく、彼女はしっかりと目を開き、ルキを見据えた。

『確かめたかった。アンタがどんだけ私のこと思ってんのか』二人とも、携帯を耳に当てたまま会話を続けた。

「俺が帰っていればどうしていた」

『帰ってたらそれまで。帰ってなかったら私はアンタに言うことがあった』

「それは何だ」

『ごめん。……アンタは本当に私のことを好きで、本当に馬鹿だ』

「謝る気はないのか」

「……彼女には優しくしないとダメなんじゃないの? それも、未来のお嫁さんにさ」

ユリアは携帯を耳に当てるのを止めると、ルキにそう言った。

「……っ!? そうだな」

驚いたのち、ルキも携帯を仕舞う。

「……好きだ」

「そうでないと困る。好きでもないやつと一緒になるなんて私もご免だし、めんどい。さっさと幸せにしないと私がアンタを幸せにしてやる」

魅惑的な笑みと共にユリアはルキに近づいた。

「ああ、今すぐにでも幸せにしてやろう」
そして二人が重なった。




















「お母さん、お父さんはそのあとなんて言ったの?」

黒に白いグラデーションがかった髪に、碧目の子どもは母親らしき女性に話を聞いているらしかった。

「今すぐにでも幸せにしてやろうだったっけ」

「ふーん」

「そうだよね、そこで顔紅くしてるお父さん?」

「〜っ、お前は」

「わぁ、お父さん顔真っ赤」

ユリアに指摘され、読んでいた本から顔を上げたルキの顔は紅かった。


「恥ずかしくないだろ。もっと恥ずかしいことしてきたくせに」


ルキの様子をからかって、ユリアは子どもの頭を撫でながらそう言った。


「恥ずかしいことってなあに?」

碧い丸々とした目がルキに向けられた。首を傾げる素振りは子どもらしく可愛い。

「シキは知らなくて良い!!」

シキと呼ばれたその子どもにルキがそう言う。

「ふぁ……、眠い。昨日は二人目作る気だったのか知らないけど、めんどいから止めろよな」

「ユリアっ!?」

「お父さんったら、お母さんのこと大好きなんだね」

「そうだな。大好きで仕方がないって感じ」



どうやらこの家族、父親より母親が強いらしい。












@@後書き@@

・ルキがルキじゃない件について……
・妊娠すっとばかして出産しちゃった後だよ(^^;)
・子ども絶対可愛いはず。
・一応名前はシュウとルキから一字とってます。
・電話かけたら実は後ろにいて、そのまま会話するシチュが好きです。
・たぶん付き合っていくうちにルキの一途さに気付いたから結婚しても大丈夫だと確信したんではなかろうか(←そのつもりで書いたんだよ)。
・もっと文才とか表現力が欲しいです。
・こんなものになってしまってごめんなさい。

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