Destiny of a varied princess and, how?
逆巻&無神&カール+リヒター。
転生者知識有夢主。

好奇心で作った薬の所為で不老長寿になってしまった。そして何故かヴァンパイアの王であるカールハインツに追われるはめになった。鬱だ死のう……いや、死ぬのはもう嫌だな。逃げ隠れしてなんとかしのいでいたけど、私は絶体絶命の状況に立たされるのだった。こういう時に自分の体質が嫌になる。影や声、果ては写真に至るまで。私を見たりすると、その人物は心を無くしてしまうらしい。そして、前世とは違うこの無駄に綺麗な顔が忌々しい。

生まれつき狂愛される体質というのは如何なものか。ああほら、今だって逆巻家と無神家の彼らは私を狂愛じみた目で見ている。

「ユリア、こちらに来い」
「何言ってる、ユリアはお前らに渡さない」
「不本意ですが、穀潰しに賛成です」
「やだよ、ユリアはこっちにくるんだから」
「はっ、ふざけんな。こいつは俺様のもんだ」
「テメェらにはぜってぇ渡さねぇ」
「んふ、だめだめ。ユリアちゃんはボクのだよ」
「違うよ……ユリアさんは俺の」
「ふざけないで下さい!! ユリアさんは僕とテディのものです」
「るっせぇ!! ユリアはお前らなんかに任せられるか」

上からルキ、シュウ、レイジ、コウ、アヤト、ユーマ、ライト、アズサ、カナト、スバルである。
こんな私を取り合うなんてどうかしている。結局、私をちゃんと見てくれる人はいないのだ。何であの時あんな薬を作ってしまったのだろう。
そんなことを考えていると、私が長年逃げていた彼と、その弟が現れた。
そう、カールハインツとリヒターだ。
カールハインツは分かるけれど、どうしてリヒターまでいる? コーデリアはどうした。あれほど執着していたはずの彼女をほっぽって私を選んだのか?
そして二人はとんでもない事を私の承諾無しに宣言した。

「お前達に1つ提案だ」

「これ以上争わないようにユリアを共有するというのはどうだ?」

そんなことで彼らが納得するだろうか。カールハインツ命のルキや、無神ならまだしも、彼を嫌っている逆巻兄弟は従う気などないだろう。

「……分かった」

今、逆巻の長男から聞こえたのは何だ。

「お前らも良いな……?」

ちょっと待て。なんでそうなる!?
逆巻兄弟は渋々ながら従ったのだ。

「それがカールハインツ様の命令ならば仕方がない」

ルキを筆頭に無神兄弟も頷いた。
だから、何でだ。

「ああ、言い忘れていたが、 ユリアと子どもを作ることは可能だ」

子どもを作っていいと聞き、全員の瞳がキラリと光ったのを私は見てしまった。ゾワリとした寒気を感じて私は震えた。
今すぐこの場から逃げ出したい。だが、この人数、そしてヴァンパイアである彼らから逃げることなど不可能。いくら私に変な力があるとしても、逃げられる自信は無い。
私は即行で、逃げる事を諦めて現状を受け入れることにした。不本意だけど。


数ヵ月後、私はルキの子供を身籠った。









@@後書き@@
・長男のどちらにするかで迷いました。逆巻の長男が好きですが今回は無神の長男です。
・狂愛? あれ、…狂愛だよね?
・違う気がします(^^;)
・申し訳ない、狂愛は苦手なようです。
・そして人数が多いとセリフが多くて台本のようになってしまう罠。
・皆の似非臭が半端ないです。
・特にカールハインツとリヒター。
・こんな文章でごめんなさいすいません(^^;)




prev mokuji next

第3回BLove小説・漫画コンテスト結果発表!
テーマ「人外ファンタジー」
- ナノ -