Happiness of can come was just felt.
スバル成り代わり
↑の続きというかおまけ



随分と昔の夢を見た。
幼い時の夢だ。
怪我をした銀色のオオカミとその弟のオオカミと自分が出てきた。
あの頃は今のように男口調じゃなくて女の子そのものだった。それを思い出すとちょっぴり恥ずかしくなった。

「カルラもシンも、元気かな……」

あの綺麗な毛並みをまた撫でたい。これまであったことをたくさん話したい。

「会えねぇのかな、あいつらに」

大好きなゲームがなかったあの頃に、あの二匹と出会って短い間だけど遊べて楽しかったのを思い出す。

「……と、学校か」

俺は部屋から出て、玄関に向かって歩き出した。

いつもならリムジンの中でゲーム機を弄るのだが、今日はそんな気が起きなかった。

「あれ〜? ユリアちゃん、今日はしないの?」

「ああ」

「「「「「っ!?」」」」」

「……何だよ」

いつもライトの質問に答えない俺が答えたのに驚いたのだろうか。

「ま、そんな時もあんだよ。色々と、な……」


(((((何か知らないけどイケメンすぎる)))))



学校に着いてそれぞれが教室に向かう中、俺はため息を吐いてあの二匹について考えていた。

「また、会えるよな」

その時だった。

「見つけた」

「そのようだな」

二人の男の声が後ろから聞こえてきたのは。

「誰だ!?」

振り返ってみると、そこには銀髪に口元をマフラーで隠した男と、茶髪で眼帯をした男が立っていた。

「いつかまた、会いに来てほしいと言ったのはユリアだろう」

「絶対に忘れないって言ってたのは嘘だったわけ?」

「は? ……え? ちょっ、まさか……カルラとシン?」

「そうだよ。やっと会えた。……兄さんなんか、ユリアと別れた後にずっと会いたい会いたいって、言っていたんだよ」

「シン」

「本当のことだよね?」

「……」

カルラは更にマフラーに顔を隠した。

「でも、なんでオオカミから……」

「元はこっちの姿。俺達はオオカミになれるんだよ」

蛇とかコウモリとかにもね。

「……私達が怖いか?」

シンの言葉の後にカルラはそう言った。

「いいや。怖いって言うより、嬉しいって気持ちで一杯だ」

会いに来てくれてありがとう。
二人にそう伝えると、何故か顔を反らされてしまった。

「どうかしたのか?」

「何でもない」

「うん、何でもないよ」

「そうか」


二人と、もう一度会うことができて本当に良かった。

「とりあえず、……撫でてもいいか?」

「「!?」」

――……二人が顔を紅くしながら、頭を撫でられるまであと数秒。







@@後書き@@
・成り代わり主が幼い時に怪我をしたカルラ(狼時)に出会っていたらという設定はけっこう前から考えていたんですが、誰にするか悩んでました。リクエストで「スバル成り代わりとカルラ」と来たので思いきって書いてみました。
・小さい頃はちゃんと女の子口調だったんです。でも兄弟と暮らし始めたのと、ちょっとだけ憧れていたために今の男口調に。・カルラは主を「貴様」と呼ばずに名前で呼んでれば良いと思う。

・本編も長いのにおまけも長くてすいません(^^;)




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