Cotton is you soft like SHI.
スバル成り代わり
ユーマ視点
あいつを初めて見たとき砂糖みたいだと思った。まあ、主に髪の色とかなんだけどよ。ふわっふわした綿菓子みてぇな頭してやがるから、あいつ自体が甘いんじゃねぇのかって思ってしまった。
それからあいつをみつける度にじっと見てたら、この間は睨まれて『何見てんだよデカブツ』とか『睨んでんじゃねぇよ』とか言ってきやがった。でもそれに対して何の怒りもなく、ただあいつが俺に話しかけてきたことを喜んでいる自分がいた。
ん? この気持ちは『こい』ってやつなのか? あいつのことを考えると、大好きなシュガーちゃんをかじることも忘れて、それに没頭しちまう。
あー、あとあいつが他のやつと話をしてるとムカツクんだよな。特にコウとか。
確かあいつと友達とか言ってやがったけど、見る限りじゃあんまり仲良くねぇよ。つーかものすごくウザッてぇーみたいな顔してた気がするぜ。ざまあみろ。
そんなことを考えながら、学校をうろうろしてたら一階の教室に人の気配があった。それも一人だけ。扉のガラス窓から中を覗くと、一番後ろの席で眠るあいつ。逆巻ユリアがいた。俺は無意識に扉を開けてそいつの眠る席まで近づいた。
こんなチャンス二度とねぇ気がしたからだ。
ちょうど顔をこちらに向けて寝ている逆巻ユリアを間近で見ることができた。
やっぱりこいつの髪の毛とかふわっふわで甘そうだ。てか、まつげ長いんだなこいつ。寝息を立てて眠る姿にどこか可愛いと思ってしまった。
「……ん、」
「!?」
さっきのは寝言か? 少しビビった。起きるのかと思っただろうが。
「む……、来ねぇ」
何がだよ。
「……三日月、……ババアはいらねぇ」
一体どんな夢を見てるんだこいつは。
そういえばこいつ、ゲーム好きって聞いてたな。
授業も受けずに眠ってるのはそのせいなんじゃ。
あー、それよりもすごくこいつの髪の毛触りてぇ。触りたくて手がウズウズしてきやがった。
「……ジジイ」
何でそのジジイとやらでそんな嬉しそうな顔してんだ。
眠りながら嬉しそうに笑ったユリアにドキッとした。
触っても良いよな。どうせ起きねぇだろうし。とか思ってた時だ、
「……良いぞ、良いぞ、……触ってよし」
そう言ってふにゃりと笑った顔は、いつものこいつとはかけ離れていた。
触って良いんだな。良いんだよな!?
よし、触るぞ。
「んあ? あ、れ、いつの間に寝てたんだろ。ふぁ……」
触ろうとした俺の手は手前で止まったままだ。そしてユリアは目を擦ると気配に気づいたのか、こっちを見た。
「あ? ……何してんだよデカブツ」
「ッチ、くそ」
手を引っ込めて舌打ちをすると、俺はユリアから背を向けて教室を出た。
もう少しであいつの髪の毛に触れたのに。
今度こそは絶対にあいつの髪に触れてやる。そんであいつに俺の気持ちを言ってやるんだ。
――好きだ、と。
@@後書き@@
・スバルとユーマの組み合わせってあんまりないので、楽しみながら書かせてもらいました。ユーマくんの口調があまりにもわからなすぎて似非みたい(^^;)
・とうらぶにはまりすぎて話の中に出してしまいました。実は成り代わり主はさにわだったり……。ゲーム好きですから。
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