You I'll assert are abnormal.
カルラ成り代わり


「その手を離せ」

「はぁ? そっちが離せよ」

どうしてこうなった。
私はただ小森ユイを探して学校を歩いていたというのに、突然現れた逆巻の金髪(シュウ)と無神のタレ目(ルキ)は私に近づいてきたのだ。シュウが私の制服の袖を掴んで、それをルキが注意。
それ以上引っ張るのは止めてほしい。ただでさえブカブカで萌え袖状態なんだから。
帰りたいよ。
小森ユイはもう良いから帰りたい。
シンと別行動するんじゃなかった。


「大体アンタ、ストーカーだろうが」

「お前に言われてたまるか」

断言してやる。
貴様らは私のストーカーだ。

英国校に帰りたい。
日本校に来て早々に、こいつらにストーカーされる身にもなってみろ。逃げるのにも撒くのにも慣れるのは当たり前だ。だが、最近は何故か逃げても先回りというか行く場所に現れるから更に疲れる。シンがいない時を狙ってくるのに腹が立つ。
いつも話しかけてきても、私は無言で返すスタンスだ。

「俺が最初に見つけたんだ」

「何いってんの、俺が最初に決まってる」

火花を散らしてるのは別に良いが、
逆巻シュウ、貴様は私の袖をいつまで掴んでいる気だ。
そしてルキはというと私の長いマフラーの端を掴んでいる。私を逃がさない気かこいつら。
イライラしてきた。
帰ったらシンに癒してもらうか。というか癒せ。

「…………貴様ら、いつまで私に触れている気だ。始祖に遠く及ばない貴様らが私に触れるなど、許されることではない」

無言スタンスを崩す結果になったが仕方がない。しかし、私が口を開くと彼に近しい口調になってしまう。……何故だ。



「良いな、それ」

「気にくわないが同感だ」

私の言ったことにそう答えた二人。軽く鳥肌がたってしまった。

「離せっ!!」

袖とマフラーを掴む手を強く振りほどいて距離を取る。

「ふん、……貴様らに構っている場合ではない。これ以上付きまとってみろ、ただでは済まさないからなっ!!」

キッと睨み付けて私は足を踏み出してその場を離れた。

――離れるはずだった……。

しかし緩んだ長い自分のマフラーを足で踏んでしまい、私は廊下の床とご対面する羽目になった。ガツンッという鈍い音が二人の耳にも聞こえたはずだ。

「うっ……、痛い」

目がうるうるしてきた。もう帰りたい。
体を起こして床に座った形になり、私は自分の頭を擦る。

「大丈夫か?」

「うるさい」

私はルキを睨んだ。

「マフラー掴んでたのはお前だったよな。ユリアが傷物になったらどうしてくれる」

いつ私が名前を教えた、逆巻シュウ。

「俺が貰ってやるに決まっているだろう」
「ふざけるな、アンタにやるくらいなら俺が貰う」


「お前のようなやつにユリアは渡せない」

「は?」

「ユリアが転けた拍子にスカートから見えた下着にニヤついていただろう」

「ああ、白のレースでエロいやつな」

かなり際どいとこに、花の刺繍がしてあった。とシュウは続けた。

「貴様っ///!?」

スカートをバッ、と押さえて今度はシュウを睨む。
あの一瞬でその観察力は気持ち悪い。

「分かっていないな、ユリアに似合うのは黒のレースだ」

さっきは以外とまともなやつだと思っていたが撤回しよう。無神ルキ、貴様も隣の男と同類だ。

「は……、自分と同じ色だからか?」

「違う。確かにそれもあるが、ユリアの白い肌に映えてさらに美しくなるからだ」
「ふうん。ま、こいつが綺麗な肌をしてるのは認めてやる。でも、ユリアに一番似合うのは総レースで白の紐に決まってる」
「な、んだと……、お前はユリアを穢す気か」

「そういうアンタこそ黒選ぶとか下心ありすぎ」

「誰がいつ俺の白でユリアの黒を汚すと言った」

今言いやがっただろうがド変態。
もう我慢の限界だ。

「いい加減にしろ貴様らっ!!」

「顔、そんなに紅くして……可愛いな」

「ああ、……潤んだ瞳も良い」

「「誘っているようにしか見えない」」

仲が悪いくせにハモるのは絶対におかしい。
帰りたい。本当に帰りたい。
私の貞操が非常に危険だ。

「おっ、覚えていろっ!?」

素早く立ち上がり私は今まで以上に全力で逃げたのだった。




(可愛いな)
(だから飽きないんだ)












@@後書き@@
・考えてた以上に長男二人が気持ち悪い。
・下着についてキャラ崩壊させて論議をかもす二人がとても気持ち悪い(←書いたのは自分だ)(^^;)

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