はっはーっ、これはどういう状況だ? 私の前ではコーデリアとベアトリクスが向かい合って火花を散らしていた。 「やはり貴女はとんだ阿婆擦れですこと」 「なんですって!? 私のどこがアバズレなのよ」 あーあ、もう止めなよ。女の子がそんな風に顔を歪ませたら駄目だよ。というか女の醜い争いは見たくないよ。あ、私中身女だけど。ある程度腐った女子でオタクですけど何か? 何の因果か、はたまた神様の迷惑な悪戯……神々のいtゲフン。それは違うジャンルだったか。 そうこうしているうちに彼女達の争いはヒートアップするばかりだ。ちょっとは考えようぜ、お二人さん。 子どもたちが『なまはげ』を見て泣いているみたいなことになってるじゃないか。 いや、なまはげというより般若か。どちらにしても鬼なのは変わりない。だって吸血鬼だからね。 ごめんねクリスタ。 私のしている長ったらしいマントの裾を掴んで涙目のクリスタちゃん可愛いとか思って。スバルもちゃっかり握っていて可愛いすぎるじゃないか。天使か。 三つ子は三つ子で私の後ろに隠れて自分の母親であるコーデリアを恐ろしいものでも見るような顔で見つめていた。 おいおい、私の体は一つしかないんだよ。ベアトリクスの二人の息子は私の手を握って母親を心配そうに見ていた。 つまり、私の背中に三つ子、マントをつかむクリスタとスバル、右手にシュウ、左手にレイジ状態だ。 いや、まあ天国っちゃ天国だよ? 可愛い天使達に囲まれているんだから。ベアトリクスとコーデリアの方は地獄と化してるけど。 「……取り敢えず、リヒター呼ぼう」 |