小説 | ナノ


※コウ視点 上の続きみたいな





「ちょっと聞きたいんだけど」

「……何を?」

数日たってから俺はアズサに気になっていたことを聞いてみることにした。

「あの時のトウカ、シャツの下着けてた?」

俺はそれが気になってしょうがなかった。胸の下あたりのボタンが一つだけ止められているだけのあの格好。透けて見える肌色、隙間から見える肌色。思いだしただけでちょっと鼻血出そう。

「……何で知りたいの? コウ」

「ちょっと気になっただけだし」

まさかトウカちゃんはノーブラ就寝派なのか。

「……あ」

「どうしたのさ、アズサ」

「……」

「ちょっとー、聞いてる?」

「ああ、聞いたぞ。お前の下品な下心をな」

「うわあぁぁぁっ!?」

いきなり現れたトウカちゃんに俺は吃驚して情けない声を挙げてしまった。

「アズサ、少し離れていろ」

トウカちゃんがそう言うとアズサは俺から離れた。
そして俺は壁に追い詰められる。顔の横にはトウカちゃんの手。いわゆる壁ドン状態。身長は俺とそんなに変わらないから目線がどうしても合ってしまう。もう少し小さくてもいいのに、と焦りながらも俺は思う。

「さて。お前はあの時、俺が下着をつけていたか否かを知りたいのだったか?」

もうやだ。何このイケメン。
顔を近づけて不敵に笑うトウカちゃんは色気がありすぎる。

「や、そんな訳じゃ……」

俺は目を反らせない。というか反らしては駄目な気がする。

「ふ……、なら今日は一緒に寝てみるか?」

ん? とトウカちゃんは笑う。

「……駄目だよ、……トウカと寝るのは俺だけ」

今まで黙って見ていたアズサがトウカを後ろから抱き締めて言った。

「だそうだ。残念だったな、コウ」

「っ……」

少しでも期待してしまった俺を殴りたい。だって恥ずかしすぎる。

「でもまぁ、教えてやろう」

抱きつくアズサを軽く離してトウカちゃんが俺の耳元へ唇を近づけて囁く。

「着けていない。ノーブラ就寝派だ」



顔を真っ赤にした俺が、その後ユーマにさんざん弄られたのはまた別の話。








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