火拳と少女




ねぇねぇ、エース。
といつものように俺の名前を呼ぶあいつ。


「 何だよ 」

「 次の島に着いたら一緒に買い物行こう!! 」

腕を掴んで揺さぶってくるのを、あー、とか、んー とか適当な返事をした。


「 ねーえっ 良いでしょ 」

「 マルコが居んだろ 」

「 マルコは用事があるから行けないの 」

「 じゃあ、サッチ 」

「 サッチはマルコの手伝い 」


まじかよ あいつら絶対用事なんかねぇだろ。



「 エースは暇でしょ? 」

「 ん、 まぁな… 」

「 じゃあ 良いよね? 」


「 分かった… 」

ため息を吐きながら返事をすると、やったー となにやら嬉しそうにはしゃいでいた。


「 つか、何でいつも俺なんだよ 」

「 だって私、エースが一番好きだもん。 好きな人と一緒に居られるのって誰でも嬉しいと思うよ 」



頬を紅く染めて言う彼女が、
何故か可愛いと思った。






2014.06.15加筆修正





mae tsugi
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