緑とお手入れ




しゅるり、とテーピングを外した左手は爪が綺麗に切り揃えられており、光りに反射してキラリと輝いているように見える。 綺麗なのは左手だけではないけど。


「 緑間くんの左手はいつ見ても綺麗だよね 」

爪とか特にすごいね。

好例の手入れを目の前で見ていた私はそう言った。

「 当たり前なのだよ。 俺は爪の手入れとおは朝だけは欠かさないのだよ 」


「 …人事を尽くしてってやつか 」

本っ当にすごい性格してるわー。

おっ そうこうしているうちに爪磨きが終わってた。
更に輝きが増した緑間くんの爪はキッラキラして、 一般女子高生の爪よりも綺麗だ。 それはもう世界が嫉妬するくらい(某CMっぽいのは何故かな)

テーピングをし直すとそれは消えてしまった。

「 終わった? 」

「 あぁ 」

「 じゃあさ 私の爪もやってくんない? 」

自分の手を緑間くんの前に出して爪を見せる。

「 何でだ 」

「 え? ついでに みたいな? 」

「 ついでとは何なのだよ ついでとは 」
緑間くんはちょっと不機嫌そうに言った。

「 良いじゃん。 私、一度で良いから緑間くんにお手入れされたいなぁー なんて 」

駄目?

と私は言う。

「 …どうしてもと言うのならば俺はやっても良いのだよ。 だが勘違いするな、 俺は"しかたなく" やってやるだけなのだよ 」

「 はい、ツンデレ頂きましたー 」

ぐっジョブと手をその形にして私は応える。

「 うっ うるさいのだよ!! 早く手を出せ 」

「 はーい 」

緑間くんのツンデレ最高だ。
本当に高尾くんの言うとおりだったな。 有り難う高尾くん君への恩は多分三秒で忘れる。
三歩で物事を忘れるニワトリのようにね。

手を出すと緑間くんは磨くのに使うヤスリを私の中指の爪に当てる。

「 …お前の手も俺の手と寸分違わず綺麗なのだよ 」

「 ぅえ?! 」

ボソッと言った緑間くんの言葉は私を驚愕させた。



緑間くんのデレ、 神様ありがとう。 私、死んでもいいかも(冗談だけど)









爪のお手入れは如何ですか?



2014.06.15加筆修正









mae tsugi
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