只今Nさんといっしょのはずなのですが Nさんはゾロアと遊んで楽しそう。 ゾロアが羨ましいなんてこれっぽっちも思ってません、えぇ 思ってませんとも。
Nさんの優しい笑顔はとても大好きだ。 それも、私に向けられた笑顔が特に大好き。
その笑顔は今、ゾロアに向けられてるけど。
私といっしょにいるのにどうしてゾロアばっかり…… と私はNさんの方に背中を向けてむくれていた。
私といても楽しくないのだろうか。 それなら私は、どうしたら良いのだろう。
ぐるぐると頭の中では悪い事ばかりが巡る。
その時だった、
ふわりと何かが私を包みこんだ 温かくて優しい。
「 僕がゾロアとばっかり遊んでるから すねちゃった? 」
包みこんだのはNさんの腕だった。
背中を向けていた私を後ろからNさんが抱きしめていた。
「 ごめんね ……僕、君の側にいると、どうして良いか分からなくなるんだ 」
悲しそうにNさんが言うから、私はNさんの方を振り向いた。
「 私、Nさんが好きです 」
「 ……好き、 そうか ……僕は君が好きなんだ 」
だから分からなくなったんだ。
そう言ったNさんはあの優しい笑顔を私に向けた。
私はNさんに正面から、ぎゅうと抱き着いた。
Nさんといっしょ
2014.06.15加筆修正