「 あの… 」
「 何? 」
「 いつまで抱き着いているんですか。 いい加減離して下さい 」
「 やダ 」
はぁ… この上司は、一体何を考えてんだか。
神威団長のこの抱き着き癖はどうにかならないものか。
「 仕事が出来ないじゃないですか!! 」
「 いいじゃん 阿伏兎にやらせればサ 」
「 良くありませんよ 」
「 俺と一緒に居たくないノ? 」
「 何でそうなるんですか 」
顔を膨らませて言った団長に呆れを含んだ言葉を返した。
私は忙しいんです 仕事の邪魔しないで下さい。
と言うと団長はしゅんとなって大人しくなった。
けれど、何かおかしい あの団長がこうも大人しいだなんて普段のこの人とは思えないくらいだ。
「 ねぇ、 …君は本当に 俺と居たくないノ? 」
綺麗な青い瞳で私の顔を覗きこむ団長。
「 顔が近いです 顔が 」
「 質問に答えてヨ じゃなきゃ俺 君に何するか分かんないからサ 」
さらっと怖
いことをこの人は言う。
「 ………傍に居ることは…別に…嫌……じゃない…です。 寧ろ嬉しいです… 」
あぁ 言ってしまった。
「 なァんだ じゃあ俺もおんなじだ 」
「 ? 」
私は団長の言葉に、ん? と思った。
「 俺も 君と居るのが不思議と嫌じゃないんだよネ それに、君と一緒にいると何でか嬉しいんだ 」
いつもの殺意を含んだ笑顔ではなく、どこか優しさが伝わってくるような そんな笑みで団長は私を見てそう言った。
2014.06.15加筆修正