好きでした



あの日、君に助けられなかったら 私は君に出会わなかったでしょう
君に出会って、恋をした
それが、叶わない恋だとしても





「 自分、大丈夫か? 」

「 あ…、 ごめんなさい 」

人混みの中、転んでしまいそうだった私の身体を支えてくれた君は、テレビでよく見るヒーローのように輝いて見えた


「 そか、 怪我せんで良かったわ 」

君の笑顔はとてもキラキラしていた

「 ありがとうございました 」

「 おん …次は気ぃ付けてな 」

君はそう言って去っていった



思えば、その時から君を好きになっていた


転校した学校に君がいると知った私はとても嬉しかった

君にまた会える そう思ったら心がドキドキした
再び会った時、私は君に好きな人がいると知った
君の話を聞いていると、本当にその子が好きなんだと分かってしまった
その途端に、私の心はズキン、ズキンと痛みだした

私はその時に、叶わない恋をしていると気が付いた
君を諦める決心は中々出来なかった だけど今日、決心する




「 君のことが好きでした 」









*白石、忍足(謙) お好きな方で




mae tsugi
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