シンドバッドと幼女





「 シンっ!!何処ですかっ!? 」

今日もシンドリアに政務官の声が響く。



「 じゃふぁる 、 」

政務官の官服の袖を引っ張る少女は彼の名前を呼ぶ。


「 あぁ、あなたですか 」

「 じゃふぁる だれ さがす? 」

「 シンを探してるんです 」

「 しん? 」

「 ええ 、 そうだ シンを見てませんか? 」


「 しん、 あっち いた 」


そう言って指す方向へ視線を向けるとジャーファルは、
「 ありがとうございます 」と言い少女の髪を撫でそちらへ向かって行った。










ジャーファルが行った少し後に近くの物陰からある人物が現れた。


「 すまないな 」

「 しん、 これで いいか? 」

「 あぁ、 まったくジャーファルも…少しくらい息抜きしても良いだろうに なぁ?、」

「 しん じゃふぁる きらいか? 」


「 いいや、 ジャーファルは俺の大切な部下だよ。 お前もあいつが好きだろう? 」

「 うん じゃふぁる すき 」

「 じゃあ俺はどうだ? 」

「 しん は 」

そう言いかけた少女の声は

「 シン 見つけましたよ」

どす黒いオーラを漂わせた
ジャーファルの声によって遮られた。




「 すまん、ジャーファルすぐに戻る 」

「 そう言っていつも何処かに行くのは分かってます 」

「 じゃふぁる しん わるいか? 」

「 そうですね、かなり悪いですよ 」

「 しん わるいこ か? 」

「凄く悪い子です」

「 いやいや、ジャーファル、俺はまったく悪くないぞ 」


「 はぁ… 」

「 しん めっ!! 」




(あっ可愛いな)
(まったくあなたは可愛いですね)
(ここはこれで許してくれないかジャーファル)
(それとこれとは別です)
(………)








2014.06.15加筆修正





mae tsugi
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