運命とはこうも残酷なものか、
ジャーファル







―嫌いっ!!
―ジャーファルなんて大嫌い



そう言って飛び出して行った彼女の後を追いかけようとはせずその場に立ち竦む。






「 ジャーファル、 」

「 シン 見ていたんですか 」

「 まぁな、 で、どうするんだ? 」



「 何をです? 」

「 追いかけないのか? 」

「 … 」

シンの問い掛けに口を噤む。


「 お前は、」

「 王っ!! 大変ですっ 」

シンドバッドが口を開いたと同時に八人将の一人、ヤムライハが何やら危機迫った様子で現れた。



「 ヤムライハか、どうした? 」

「 はい、それが… 」



ヤムライハの話を聞いたジャーファルはすぐに飛び出して行った。















嘘だ、
嘘だ、
嘘だ、


ヤムライハの話した内容はこうだった。

飛び出して行った彼女は城を出て断崖絶壁まで来たのを海から漁師が見ていたらしい、そこまでは良かったのだが重要なのはその後だ、
彼女が足を滑らせてそのまま海に落ちた。 と聞いた時、私は飛び出していた。








海岸には人が沢山いた。
その輪の中で倒れている彼女を見つけた。

もう手遅れだと誰かが言った気がした。
それでも、彼女が生きていると思った。


人払いをして未だ目覚めない彼女と二人きり。



「嘘でしょう? 貴女はこんなことで死ぬ筈は無いんですよ」

「 目を開けて下さい 一体いつまで私を困らせる気ですか 」






―嗚呼、なんて
―なんて運命とはこうも残酷なものか、







2014.06.15加筆修正




mae tsugi
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