むかしむかしあるところに

とてもうつくしい、きれいなとりがいました

しかし、そのとりはあるひ、

そのとりをにくみ、あいする、よくぼうによって、

そのうつくしいはねを、おられてしまったのです

そのときとりはさとりました

うんめいは、かえられないのだと


とりはまっくらなとりかごのなかで、うたいつづけました

だれかにきづいてもらえますようにと

だれかにたすけだしてもらえますようにと

きれいなかざりものは、それをねがってうたいました


あるひとりのめのまえに、もういちわのとりがあらわれました

きれいなつばさ、すこしだけきずついたきれいなつばさ

とりはそれにてをのばしました

もういちわのとりは、そのとりのてをしっかりとつかみました


壊れていく籠

再び鳥に与えられた純白の翼

少しだけ傷ついた純白の片翼

翼のないもう一つの手は、片翼となった少年の手に


Fin

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