むかしむかしあるところに
とてもうつくしい、きれいなとりがいました
しかし、そのとりはあるひ、
そのとりをにくみ、あいする、よくぼうによって、
そのうつくしいはねを、おられてしまったのです
そのときとりはさとりました
うんめいは、かえられないのだと
とりはまっくらなとりかごのなかで、うたいつづけました
だれかにきづいてもらえますようにと
だれかにたすけだしてもらえますようにと
きれいなかざりものは、それをねがってうたいました
あるひとりのめのまえに、もういちわのとりがあらわれました
きれいなつばさ、すこしだけきずついたきれいなつばさ
とりはそれにてをのばしました
もういちわのとりは、そのとりのてをしっかりとつかみました
壊れていく籠
再び鳥に与えられた純白の翼
少しだけ傷ついた純白の片翼
翼のないもう一つの手は、片翼となった少年の手に
Fin
(1/1)
[back next]