寝坊した!!!!

宿舎から猛ダッシュ。
そのお陰で三分ジャストで教室にインするという驚異的な記録を叩き出した。あれ、不思議だな。新記録保持者になっても全然嬉しくない。
息を切らせながら教室に入る頃にはもう朝のホームルームが始まっていた。
こそこそと隠れて席に向かう。幸い窓側の一番後ろの席だ。
(よし、もう少し…)
が、「ん?」とニールは目敏く見付けたらしい。
「どうしたぁ惺、寝坊か?それとも具合でも悪いのか?」
「ちょっとつわりが…」
「あ、もしかして先生の子かな?やばいなどうしよう。惺は勿論産んでくれるよな?」
「朝から気持ち悪い妄想しないでくださいニール先生」
ガタンと椅子に座る。ニールは笑顔で「惺、遅刻っと…」と名簿にチェックした。
「はあ、」
溜め息をつく。そして隣の席のティエリアを見る。
「起こしてくれたっていいじゃんかよ」
「すまない…。起こそうとしたら寮長が来たんだ」
因みに異性の部屋に入るのを見られたら一週間トイレ掃除という素敵な罰が待っている。以前、ティエリアの部屋に行った時に寮長に目撃されて、おれは男子トイレ掃除、ティエリアは女子トイレ掃除を一週間という屈辱的な経験を味わった。あれは二度と御免だ。
「おれ達幼馴染みだから寮長も見逃してくれたっていいのにな」
「だな。」
再び溜め息。すると、黒板に今日の提出物を書いていたニールが再びこちらを向いた。
「惺、ティエリアとの子供だったら退学だからな」
「先生がそう言うなら、おれは意地でもこの子を産んでやります」
てか、そもそもおれは妊娠なんてしてないけど。いつまで妊娠ネタ引っ張るんだ。遅刻がそんなに悪かったか。確かに遅刻したのはいけないとは思うが、だからと言ってセクハラ発言はどうかと思う。てかライルも兄に何か言えよ。

(…何でこんな奴が先生になれたんだろ…)

あー…。


虐め相談ダイヤルって何番だっけ。




2012.09.13

- 37 -

[*前] | [次#]
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -