「ん…っ!や、」
「ヤ、じゃないだろ?」
もう耐えきれずに主張を続ける下半身。このまま本能のままに身体を重ねて貪り尽くしたい。けれど最大まで焦らして惺がすがり付いて俺無しでは生きていけないようにもしたい。
「やあ…っ!ばらばらに、はっ、やめっ、…!!」
「嫌?じゃあ止めようか」
動かしていた指を止める。
いつも彼女に好き勝手やられて最終的に此方が落ちてしまうから、今この瞬間は俺が彼女の主導権を握っていたい―――そんな邪な気持ちが、胸の内に潜むS心に火を点ける。
「ひゃ、……んぅっ、!」
何かを耐えるような表情。
押し寄せる快感を奪われた、
どうして、
やめないで、
そんな、欲しがっている表情。
(いいねぇ…っ、その表情…っ!)
今日は、許してあげない。
その唇で、はっきり言うまで。
「何して欲しいの?ちゃんと言ってごらん?」
「ハァ…っ、や、だ…っ、」
「強情だな…。そんなんじゃ…」
熱を帯びた自身を押し付ける。
「これは、あげられないなあ」
惺の瞳が絶望に染まった。
(ちょっと、やり過ぎたか…?)
が、
惺はその潤んだ瞳で俺を捉えた。

「ロックオンが…っ、欲しいの…っ!!!!」

(―――――――っ、!)

「やめないで…っ!!!」

――――もう限界。

「ひゃうぅ…ッ!!!」
惺の嬌声が俺の頭を支配する。腰が止まらない。目の前の愛しい女に俺という存在を刻み付けてやりたい。
もう俺以外は愛せないように。受け入れられないように。
「はぁ…っ、惺…ッ!!」
「ロック、オ…!!!」
ぎゅう、と抱き締められる。その温もりに愛しさが沸き起こる。
(ずっと、俺だけを見て、)




「愛してる…っ!!!!」




その言葉で雁字搦めにして。
もう、引き返せない程俺は落ちてしまった。





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