激しい卓球勝負で汗をかきまくった俺達は、露天風呂でのんびりすることにした。
「それにしても、惺のあの一方的な卓球は凄かったな」
「うん…まさか左手で打ってたから弱かったなんて…僕疲れたよ…。腕が痺れて痛い…」
アレルヤが泣きそうに呟く。
(うん、その気持ちも分かる…)
あの後、惺はスマッシュを繰り出す度に球を破裂させていた。
「ハレルヤがやったのに…僕…とんだとばっちりだよ…」
確かに。ハレルヤから手刀を食らった腹いせにアレルヤに全力で嫌がらせしてたもんな。
「でも…なんだか可愛かったな」
そんなことに一生懸命な惺の姿が。
「お前がちょっと羨ましいぜ」
感情を押さえがちな彼女が、精一杯に純粋過ぎるその感情をぶつけられたアレルヤが。
アレルヤは苦笑いを浮かべた。
「だったら代わってよロックオン…」
俺は微笑んだ。

「お、刹那、ティエリア。どうだ、あっちの露天風呂は?」
「悪くなかった」
「へえ、アレルヤ、俺達も向こう行ってみるか」
「うん」
ざばあっ、と立ち上がる。四人で向こうに行こうとした刹那、何処からか声が聞こえてきた。

「わあ!露天風呂ーっ!」
「きれいだね」
「惺も早く来なよーっ!」
「フェルト、クリス、そんなにはしゃいでると転ぶわよ」

―――マジかよ…!!
理解する前に、

バチッ、とタオルを巻いた女性陣と目が合った。
―――あ、俺達……。
四人とも立ち上がってたから…………


「「「いやああああ!!!変態いいいい!!!!」」」



それからの展開は目が回るくらい早かった。
影から般若の形相をした下着姿の惺が走ってくる。
そしてそのまま俺のもとにダッシュ。飛び蹴りをお見舞い。
「うおぉッ!」
それをすんでのところでかわす。
が、反対の足が飛んでくる。
「う!わ!惺!!まてっ!!俺達だって!!」
「……え…っ?」
惺は一瞬固まった。

「な、なんで…!!?皆が変態とか叫ぶから…助けなきゃいけないって…急いで……え?え?」
混乱を隠せないらしい。俺は苦笑いを浮かべて言った。
「どうやら混浴だったみたいだな」
「マジかよ…」という惺の呟きが聞こえた。そんな彼女の肩を掴む。
「取り敢えず、お前は下着脱いでこい?」
まあ、真っ裸で攻撃しに来るよりは遥かにマシなんだけども。
しかし、惺は俺の科白を聞いて素直に頷くと思いきや。
じ、と此方を見詰めた。
(え?なにを…)
まさか、キス……。え、こんな…皆が見てるのに…
「お前らも取り敢えずタオル巻けよ」

――――あ。


「露出狂め」
惺が馬鹿にしながら去っていった。





2012.02.18


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