「…―――今からロックオン・アレルヤチームと、惺・刹那チームのダブルスを始めます!はい礼っ」
「「「「お願いします」」」」
頭を上げ、相手チームを睨み付ける。勿論狙いはアレルヤ。ぎゃふんと言わせてやる。
「惺が卓球したいなんて珍しいな」
「でも僕達手加減はしないからね」
「上等。」
ボキボキ、と指を鳴らし、ラケットを左に構えた。
「刹那、やるぞ」
「ああ。」
―――試合開始。
相手チームのサーブ。
コン、コン、と音が響く。刹那が返す。それをアレルヤが更に返す。
「惺っ!」
「ああ!」
―――すかっ、
「……………。」
「……………。」
「……………。」
「……………。」
見事な空振りだった。
辺りには軽い沈黙。
刹那がぽん、と肩を叩いた。
「次だ」
「あ、ああ。」




――――すかっ、


――――すかっ、


――――すかっ、


「くっ…!」
その後も空振りをし続けたおれ。
点数は8対1。完全に足を引っ張っている。
「はははっ、惺って卓球下手なんだね」
「……………。」
アレルヤの言葉にカチンとくる。
「なんならハンデあげよっか?」

―――ぶちん。


「ハンデぇ…?」
左に持っていたラケットを右手に持ちかえた。
「吠え面かくなよ…」

「さあ、再開して?」
スメラギさんの声で再開する試合。アレルヤのサーブ。
コン、コーン、とやってきた球を…。

「……―――――っ、うるぁ!!!」
―――バアアアン!!!!

「………………」
「………………」

スマッシュ。有り得ない音を奏でながら入った球は、台に当たった瞬間衝撃に耐えきれず破裂してしまった。相手チームは完全に腰を抜かしている。
「やっぱり利き腕だと清々しいなあ。でも義手だから手加減が難しいなあ。」
ぎろっ、と一瞥。
「「ひぃっ…!!」」


あの後はまるで地獄を見ているようだったわ(後日スメラギ談)。


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