ノックしても返事が無かったので、勝手に扉を開いた。
面倒だったのか、惺は黒猫姿のままでベッドに横になっていた。
(ヤバイんだが…っ、色々と)
生唾を飲み込む。

「惺…」
「帰れ」

ピシャリ、と、清々しい程の拒絶。ロックオンは泣きたくなった。
「さっきは…悪」
「謝っても許さない」
謝罪を遮られた。今日の惺は頑固だ。多分ガンダムに乗れなかった苛立ちもあったからだろう。
「でも、」
「もう帰れよ。おれは眠い」
ロックオンなんかに割く時間は無い――そう言っているように聞こえて。

――ぷちん、

何かが外れた。

「……っ!」
「…――ッ!!!」

ベッドまで駆け寄り、惺に覆い被さる。目を見開いて言葉を失う惺を無視して激しい接吻を施す。
「んっ…!!!!んう!!!」
「……――っん、!」
吐息が絡まる。
(我慢、出来ねえ…っ)
ロックオンは惺の鎖骨に舌を滑らせた。
「ロッ、ロックオン!」
やめろ、と言いたげな表情。
だがもう遅い。
「すげえ、可愛い…っ、食べちゃいたいぜ…」
「食べ…っ!!?」
やっと理解したのか、さあ、と血の気が引いていく惺。
「さっきから、誘って…、俺を困らせて」
「誘ってなんか!」
「誘ってなんか?」
「…――ンっ!!!」
胸を鷲掴まれる。不意に与えられた圧力に、吐息を飲み込めなかった惺。
「はぁ…っ、ロックオン、やめ…!」
「ヤだね。そんな可愛い姿晒しといて、お預けなんて許さねえぞ?」
「ちょ…っ!」
鎖骨をぺろ、と嘗め上げる。ゾクゾクゾク、と全身に電気が走る。
「ほら、お前のせいで、こんなに…」
「っ、!!!!」
するっ、と惺の指を誘導する。熱くて固いそれにたじろぐ惺。
ロックオンはにっこり微笑む。



「仔猫ちゃん、ご飯の時間だぜ?」






(逃がさないからな、俺だけの子猫ちゃん)



2011.12.30


- 13 -

[*前] | [次#]
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -