ハロの奴、何処に行ったんだ、と思って探しに出掛けたら、奴は惺と一緒に戯れていた。
ハロがフェルトと会話したり戯れている様子はしばしば目撃していたが、惺とハロのセットはなかなか珍しいな。
『惺、抱ッコシテ!惺、抱ッコシテ!』なんて甘えるハロに嫉妬。俺が「抱っこして」とか「抱っこしてやる」とか言えば、真っ先に拒否するのに、本当に羨ましいな。今だけハロになりたい。
「仕方無いなぁ、来いよ」なんて両手を広げる惺に、俺が割り込んで抱き着こうかと思った。怒られるから我慢して、暫し様子見する事にした。
『惺、大好キ!惺、大好キ!』
「おれもハロが好きだぜ。両想いだな」
にっこり微笑む彼女。おれには滅多に「大好き」なんて言わない癖に、こんな時だけあっさり言いやがって。浮気と見なすぞ。
「でもなー、ハロ」
と、惺が続ける。
「一番はロックオンなんだ。ごめんな?」
首を傾げて告げたその科白。何だよその殺し文句は。心臓がギュウウとなって内心だけで「うおぉぉぉ…!!!」と滾る。
ハロが『知ッテル!知ッテル!』とパタパタさせる。良いかな。もう出て行っても大丈夫かな。うずうず、と止まらない思い。でも今出てしまったら盗み見していたのがばれてしまう。と葛藤を繰り返した結果、結局は俺の理性が音を上げた。
「惺〜!!!!」
「!?」
いきなり現れて出て来た俺に、一瞬だけギョッと目を見開くが、そんなの俺には関係無い。逃げる体勢だった彼女を無理矢理掴んで胸の中に閉じ込めた。
「俺も惺が一番だぞ」とお返しの言葉。彼女はこの言葉が効いたのか大人しくなって動かなくなった。
「ハロ」
彼女の腕から取り上げる。にっこりと笑って告げた。
「暫くの間、惺と二人きりにさせてくれないか?」
『ロックオン、ケダモノ!ロックオン、ケダモノ!』
ケダモノって何だ。心外だぞ。好きな女性にこんなにも思われたら我慢出来なくなるのは当然だろうが。
「よし、部屋行くぞ〜、惺〜」
蒼白い顔を浮かべる彼女。

あれ?そう言えば、俺、ハロを探しに来たんだよな、と思ったのはそれから数時間後。




2013.02.27

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