「あ、静雄さん!おかえりなさーいっ」
「…帰(おかえりなさい)…」
「っ、シ、ズちゃん…っ、いいところに…、こいつらどーにかし、てよ…っ、」

理解しがたい、いや、理解したくない光景に静雄は固まる。二人の少女が顔を見合わせた。そして、停止していた青年を追い込んでいた手を動かす。

「あ、あぁあっ、んう…!?」

ぐいっとバイブが中に押し込まれたかと思えば、臨也の口に小さな瓶が当てられ液体が注ぎ込まれた。
こくりと飲み込んでしまいながら、臨也は嫌な予感がするのを感じた。

「それじゃあ、私たちはいなくなるからどうぞお二人様、楽しんでねっ」
「…楽(楽しんで)…」
「んく、は…、ちょ、」

無責任な二人の少女はこの場から逃げるように立ち去った。残されたのは、だんだんと身体が火照ってきている臨也とそれを見つめる静雄の二人だった。
臨也が飲まされたのはお約束により、媚薬なんてものだ。何故彼女がこんなものを持っていたのか、そんなことを考える余裕は臨也にはない。

「し…シズちゃん、っ…、これ外してくれないかなぁ…、?」

とりあえず、両手が使えなければいろいろと不都合だと今の状況で唯一頼める静雄に恐る恐る言ってみる。

「…あぁ」

先ほど、九瑠璃と舞流が来たときのことを思い出してほしい。物音や気配には職業柄、人一倍敏感なはずの臨也が二人があれほど近づいてきたのにも気付くことが出来なかった。つまり、それほど激しかったというわけだ。
散々といじめてしまった静雄は、毎度のことなのだが気を失う臨也をみてやりすぎてしまったと後悔をしている。手加減をしようとしているのだが、いざ目の前で乱れる臨也をみればそんなことは頭からすっとんでしまうわけで。

いまも、これ以上は駄目だと必死に理性を保とうとしている。このような状況にした彼女らは楽しんでと残していったが、静雄はそれを聞かなかったことにして冷静を保とうとしていた。

「は、っ…あいつら…今度会ったら、絶対に…っふあ、!」
「っ、」

自らも臨也に使っていた手錠を外してやろうとしている最中、臨也の手首に静雄の指が触れた。すると、ぶつぶつと整わない呼吸をしながら文句を言っていた唇から艶の含む声が洩れた。

「シズちゃ…っ、あんま、俺に触んない、ように…し、て…っ、あ、ぅ…、」

本人は気付いていないのだろうか。
臨也の瞳には一杯の涙が溜まっており、顔はほんのりと赤く染まっている。そして、吐息に混じってきこえる喘ぎ声。
これが、例え誘っていなくてもギリギリの理性を保っている静雄を煽るには十分な要素だった。

「…臨也」
「…っ、なに…?」
「手前もそのままじゃ、辛ェだろうしよ、」
「…え、うそ、っ…もう無理だから、シズちゃ…、」
「、悪ぃ」

謝罪の言葉を告げながらもその口元は弧を描いていて、瞳の奥には明らかな欲がみえた。そして、静雄は未だに臨也の中に埋まっているバイブのスイッチをいれた。








寝込みにご注意ください
(あいつら、覚えてろよ)










クルマイの口調が…残念なことに…。







.
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -