「上の歯ぁ〜」

「……」

「下の歯ぁ〜」

「……」

「前歯ぁ〜」

「……」

「奥歯ぁ〜」

「……」

「グリグリシャカシャカグリグリシャカシャカ♪シュワ〜♪」

「食べたら磨く♪約束げんま「うるせェェェエ!!!!」


「朝からなんだよいきなり!!
…え、いやなんで素で驚いてんのこっちがびっくりだわ!」


朝私が最近のブームである「♪は、み、が、き、上手かな?」の歌を歌っていたら前の席の男子にいきなり突っ込みを入れられた。
ちなみに昨日席替えしたから、この男の子についてはあんまり知らない。


「す、すごい!君藤にも負けない鋭さと的確な突っ込みだね!えーと、林田君だっけ?」

「いや全然違ェェェ!どっから出てきたの林田!?ていうか驚くとこもなんかおかしい!
俺は礒部(イソベ)だから!」


「カツオ君?」

「そんなキャラ的にオイシイ名前じゃねえよ!」


イソフラボン君(今思い付いたあだ名)は下を向いて大きくため息をついた。あ、幸せが。

私がイソフラボン君の口あたりで物を掴む動作をすると変な顔をされた。


「………」


「幸せが逃げて行っちまいますよ旦那」


そう言ってイソフラボン君から逃げ出した幸せを私がもらい受けた(食べた)ら、イソフラボン君はもっとに変な顔をした。



「大丈夫イソフラボン君?腹痛いの?女の子の日?」



「いやいや俺男なんですけど!女子がんなこと言うなよ!つーかもしかしなくてもそのイソフラボン君って俺のこと!?」


「いかしてるでしょ」


「どこが!!!」


「ボンの辺り」


「いやそこはイソ(礒)じゃねぇのかよ名前関係ないじゃん!!つーか突っ込みにいちいち返さなくていいよややこしい!」




そこまで一気に言って、ハアハア肩で息をするイソフラボン君。


「あらあら中々の顔立ちが勿体ないですよ君。もう中学生なんだから自分の限界くらいちゃんと弁えないと」


「一番の原因に言われたくねぇわァァァ!」




鋭い突っ込み、100点満点。
そして彼は息を正して「とにかく。俺はイソフラボン君でも勿論林田でもないから。礒部だから」



「えーイソフラボン凄い良いと思うんだけどなー」


「(何で…)」



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