※これこそがヤオイ
※直接表現注意
※突然始まる
志摩宅の一角に位置するのが廉造の部屋。
昔の家をそのまま現代に持ってきた雰囲気のあるそこは、ちょっとした防音効果なんて洒落たものなどついていない。
壁一枚や襖一枚といったような薄さのものに阻まれたその空間は、ただ居間や母屋に居る両親から遠いという理由で、二人の愛の揺りかごにされていたのだ。
「あっ、きんにっ……っふぅぅっ……んっ」
「何や?ここええんちゃうの?」
声の主は廉造と、金造。この兄弟は事ある毎にこの部屋で身体を重ねては、快楽をむさぼっているのである。
「ややぁっ……そこばっかされたらっ……おかしなるっ」
「なんやええって事や無いか。おかしなりぃ廉造」
因みに当初、主導権はじゃんけんで決めていたのだが、あまりに廉造が負けて挿入される側になることが多くなったために、今ではもっぱらじゃんけんを割愛することが常であった。
とにかく二人はその思春期特有の性欲をもてあましたくないという一心で身体を重ねる。気持ちよくなるための努力は惜しまない。二人はある意味セックスフレンドというような関係だったのだ。
「んう、ふっ……あっ……あかんっ……!」
「イきたいん?」
「やっ、きんに、の…っう……んっ…ほしっ……」
「なんや、指ではイかれへんてか」
故に欲望を隠さない。
ぐちゅぐちゅと本来ならばしないような音を立てて秘部を弄る金造の手を廉造は引き抜き、すっと性器に触れた。
「これでっ……イきたいんやもん……」
「……なんや……えらいやらしいやないか」
やらしい廉造はすきやで。そう囁いた金造は廉造の身体をうつ伏せにし、腰を高く上げさせる。
「やぁっ……この体勢ややぁっ……!」
「嘘言いなや。この体勢めっちゃ感じるんやろ?」
「あっ……」
ぴたり、と取り出した性器を臀部に押し当てながらそういえば即座に反応する身体。
頭で考えるよりも先に漏れた声に慌てて口を手で塞ぐけれどしっかりと金造には届いていた。にやにやと笑う顔を隠しもせずに腰をしっかりと掴む。
「入れんで?」
そしてただそれだけを言うと散々解したそこへゆっくりと進入してきたのだ。
「あ、あっ、あっ、ああああっ」
進むたびに背がのけぞって綺麗なアーチを作る。
この瞬間の廉造の背中は本当に綺麗だと、金造はこっそり思っていた。
「なんや、今日はえらい緩いやないか。もっと締めや。」
何の引っ掛かりもなく奥まで収まった性器が廉造の中へ既に馴染んでいることに驚く。
ここも遂に自分の形になったかと思うと嬉しくて仕方がなかった。
そんなことだから、突然動かしてもなんの痛みも感じないらしい。
「あっ、ああっん、ふあっ」
腰をゆっくりと動かせば、それに釣られて自然と声が漏れた。
かいらし声やなぁと言えば、黙れという悪態が帰ってくるのだから面白い。
「もうちょぉまって、んあっあ……は……っうう……」
「無理。俺かて限界やもん」
徐々に動きを激しくしていけば、それにあわせて内壁が激しく波打ち始める。
限界が近いのだろう。
金造はそれに気がつくと、ラストスパートを掛け始めた。
あまり上手くいく事は無いのだけれど、やはり二人一緒に絶頂を迎える方が気持ちよい。
「あっ、あっ、やあっ、くるッ……あああっイってまうよぉっ!」
「ん、俺もっ……!」
先走り液と腸液が混ざり合い、抜き差しをする度に飛び散る。
廉造の性器ももう痛いくらい勃起しており、先走りが白く成り始めていた。
「あっ、あぁああっひああああ!」
「っく、……」
少し廉造の方が早かったらしい。千切れんばかりに締め付けられた金造はそのままドクン、ドクン、と精液を胎内に注ぎ込んだ。
全てを出し切るように腰を動かしていれば、その内壁がひくひくとうるさい。
ためしに前立腺を突いてやれば、その絶頂を迎えたばかりの身体は大きくしなったのだ。
「あっ、あほっ……イッたばっかり、やっ……!」
「そんなん俺かてイッたばっかりや。」
「んん、やめっ……って、何おっ勃てとんのやぁっ」
その際の締め付けに素直に感じた金造の性器は既に硬くなってしまっている。
本当は今日は一度で止めるつもりだったのだが、どうにもそうはいかなくなってしまった。
「もっかい、ええやろ?」
そう少し低い声で耳元に囁かれてはたまらない。
「いやや言うてもどうせするやんか」
ふい、と顔を背けながらそういった廉造の背中に小さくキスを落とすと、次は後ろから抱きしめた形で腰を振り始めたのだ。
「ああっ……きんに、……ふかいいっ……」
金造の体重が先程よりも結合部にかかるせいで、挿入が深くなったのである。
「ああっ、あかんって、おく……ややぁっ」
ガクガクと揺さぶられながらブンブンと頭をふるけれども、金造は何もしゃべらなかった。
その代わりに抱きしめていた腕をそっと外して乳首を突然つねるのだからたまらない。
「やああっ!ひぁっ、あ、かんって!!」
ギュウっと秘部を締め、ガクガク震える廉造はあっ、という声と共に二度目の精を放った。
「あーあ、乳首でイってもうたん?」
首筋に歯を立てながら尋ねればカッと熱くなる身体。
「兄ちゃんまだイってないんやけど?」
それからその言葉に絶望と悦びの入り混じったまなざしを向けたのだ。
快楽に隷従
110904