午前4時15分
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「ん・・・」

ムックリと起き上がって目を擦る。大きな窓からは光を感じられず、チラリと時計を見れば短い針はまだ4を指していた。

「うわ・・・最悪・・・」

思わず口からこぼれ落ちた悪態は誰に拾われることもなく黒一色の部屋へと吸い込まれていく。

ボスン、とベッドに逆戻りして目を閉じるが何だか眠れない。
どうやら完全に覚醒してしまったらしい。太陽が登るまであと二時間もある。縄文人もビックリの起床時間に苦笑した。

グルリ、と寝返りを打てば、視界は黒から肌色へと変化する。目の前で上下する胸板はまだ深い眠りについていることを示していて、なんだか面白くなかった。


「臨也、さん」

思いの外掠れている声。小さく呟いても返事はない。

「臨也さん、臨也さん」

なんど繰り返しても目の前の胸板は一定の速度で上下する。

その事実に少し安心し、なんだか悪戯心が芽生えた。

(どうせなら起きなかったことを後悔するようなことをしよう)

再びのっそりと身体を起こして臨也に近づく。

「臨也さん、好きです。」

普段なら絶対に言わない愛の告白。

「好きです、大好き・・・」

心の中に秘められた本音をボロボロと溢す。

「好き、愛してる」

一つ一つの言葉にありったけの気持ちを込めて。


「世界で一番、大好きです」

締めくくり、とでも言うように最大級の愛を示して、赤くなった頬を隠すように戻ろうとした時、物凄い力に引かれて肌色と接触した。

「うあっ!な、何ですか!!」

慌てて離れようとするも、びくともしない腕に焦りを感じる。恐る恐る顔を見れば良い笑顔を浮かべた臨也。

さぁぁぁ、と血が引くのを感じた。どうしよう、聞かれていたのかもしれない。そんな思いがぐるぐる回る。


「で、愛の告白はもう終わり?」

「ーーー〜っ!あんたっ、起きて・・・!」

やはり聞かれていた、と絶望のドン底へと陥っていく。

「勿論。俺の眠りは基本浅いからね。正臣くんが起きた時点で目は覚めてたよ?」

「ーーー〜っ!ーーー〜っ!」

血液が顔に集まっていく。声にならない叫び声を上げている正臣の髪をするりと撫でて臨也は笑う。

「俺も、正臣くんを愛してるよ。人間よりもね」そう言って毛束にキスをして。

「ところでさ、正臣くんが可愛いことばっかり言うから元気になっちゃった。」

にっこり笑う臨也に顔の赤みは増すばかりで。

「っ!変態・・・っ!」

「その変態が大好きなのは誰だっけ?」


二つは絡み合い再びベッドに沈んでいった。





午前4時15分

(臨也さん、俺今日学校・・・ひゃぁっ!)(そんなの休んじゃいなよ。それで、俺と愛し合おう?)















正臣をデレさせてみた結果がこれだよ!
後悔はしていない・・・してないんだから・・・!









100606



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