むかしむかし池袋という町に黄色い布の集団がありました。黄色い布の集団を黄巾賊と言い、アメリカでよく見るカラーギャングという集まりの一つです。
彼らは喧嘩が強く、頭の良い中学年位の子供達が集まって出来た物でした。
そこのトップ―――将軍と呼ばれる人の喧嘩の強さに惹かれた者がまた一人、二人、と集まっていき、いつしかとても大きなグループとなりました。
さて、その将軍、と呼ばれる人。カリスマ性が無ければボスというものは務まらない。では、その将軍はどのような人だったのでしょうか・・・
「なーんて、問題提示するまでもないんだけどさ。」
高級そうな椅子に深く腰掛け、将棋の駒を弄ぶ。くるくると回しながらニヤリと笑った臨也はそのまま椅子から立ち上がった。
「なんすか、いきなり・・・」
首に黄色い布を巻いた高校生ぐらいの人影が嫌悪感を露にするが、臨也は気にしない。
「何でもないよ?俺はただ君がこっち側に帰ってきてくれて嬉しいだけだよ。」
「白々しい嘘は聞きあきましたよ、臨也さん」
「本当なんだけどなぁ?俺は君の事を弟のように思っているのにねぇ、正臣くん?」
ドア付近に立っている正臣の隣に移動した臨也は正臣の肩に手を乗せてあからさまなため息を吐く。正臣はなんとかして肩から手を退かそうと試みるもビクともしないそれに心底イラつく。
「離して下さい!」
「怖い怖い。あぁ、もしかして俺が弟って言ったのが気にくわなかった?」
「うるさい、触るな。最低が移ります。」
「本当に酷いよね、正臣くん。」
グイッと肩を手前に引いて、自分の腕の中に招き入れる。突然の事に大した抵抗も出来ずに凭れ込むと、両腕でホールドされ、本格的に身動きが出来なくなった。
「でも、言葉遣いが悪いのは良くないなぁ?だって」
耳に当たる息が気持ち悪くてみじろげばペロリ、と耳を嘗められて粟立つ。
「君は女の子なんだから」
「黙れっ」
腕を振り払おうともがけば抱き締めるように回っていた手が動く。
「ほら、言葉遣いが女の子じゃないよ?」
「わっ、ひぁ!?」
そして的確に正臣の慎ましい胸を捉える。
「まぁ、ここはそんなに女の子らしくないけどね?」
「はな、離しっひゃうあ!」
ムニムニ揉みしだかれ、あられもない声が漏れ、羞恥に顔を染める。
「あは、なんだ、可愛い声は出せるんじゃない」
ニヤニヤと笑う臨也に正臣の胸を揉むのを止める気はさらさら無いらしい。
「も、ほんと、やめっ!」
「や〜だ」
涙を滲ませながら必死に手を剥がそうとするも、男と女。ましてや快感の海に足を絡め取られた彼女の力など、例え普段将軍と呼ばれ敬われていようが抵抗となるわけが無く。
「そうだ。久々にシようか?」
「っ!い、いやぁ!!」
蒼白。彼女の顔色を的確に表す言葉。
なす術もなくベッドルームへと連れ込まれた彼女がどうなった、など知るものはなく。
いつの間にか剥ぎ取られていた黄色い布がただそこに落ちているだけだったとさ。
お伽噺のヒロインは
(悲劇の後に幸せになるらしい。)(まぁ、それが当てはまるという確証は無いけどね?)
ちょっと酷い臨也を書きたくなったんです。後悔はしていませんが反省はしています。
100603