虚空を見つめる
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※微々裏注意
※突発SS

ズルリ、と引き抜かれるそれ。先刻吐き出された白濁液が太ももを伝わる感覚にぞわり、粟立つ。


「なかなか良かったよ、紀田正臣くん?」
青年は、皺がより、所々シミのついたシーツの上に座り込んでいる少年に声をかけた。一心にシーツを見つめ続けている彼にため息を吐くと、

「それで、報酬の事なんだけど、」

と本題を切り出す。
報酬、という言葉にピクリ、と反応すると、ゆっくりと顔をあげた。そして白いものを付着させたままの唇を開いた。


「報酬は『愛してる』っていう言葉だけで良いです。」

「え?」

驚いて見つめれば意思の強い瞳とぶつかる。

「俺は何だって良いんだけど、本当にそれで良いのかい?お金、とか・・・」

「お金は貴方が払いたければそこら辺にでも置いといてください。」

「そう・・・」

青年は再度ため息をつくと、少年に向かって呟いた。


「愛してる。」

カサリと一万円札が五枚その場に落とされ、その男は振り返ること無く部屋から出ていった。
残されたのは顔を歪めた少年のみ。

「帝人・・・・」

呟いて愛しそうに笑う。
すでに彼の目に現実は見えていない。

見えているのはただ、愛するあの人だけ。


「会いたいよ、帝人・・・」


シーツを抱き締めながら呟く。

幸せそうな彼の顔に、一筋の涙が溢れた。







虚空を見つめる

(帝人帝人帝人帝人帝人帝人帝人帝人、)(愛してると言ってくれ・・・)




病んでる正臣は萌えると思いますw
時間軸的には3巻後ぐらいでしょうか?
ネタバレはないので注意書きは書きませんでしたが。





100525



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