さあ踊りましょう、よがり狂うまで
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※二人は知り合いじゃないです
※この小説の正臣は18歳越えてます


タタタンタ、タタタッタンタタッタ

軽快なステップを踏む彼女は舞い続ける。

タタ、タタタンタ、タタンタタン

クラブの舞台で堂々と舞う彼女は美しいブロンドを惜しむこと無く靡かせては観客の脳を支配する。


「ふぅん、綺麗な子だねぇ?」

ワイングラスをコトリと置くと、広い個室・・・通称VIP席の中で微笑んだ。

「やや、折原さんに気に入って頂けるなんて、あの子も喜びますよ」

取引先のクラブの社長は一片の曇りもない営業スマイルを浮かべる。

「彼女、名前は?」

「紀田臣、と言います。最近入ったばっかりの子なんですけどね、あの引き締まった身体としなやかなのにどこか荒々しいダンスに魅せられる方が多いのですよ。」

聞いてもいないことまでペラペラと語り始めた交渉相手から視線を外し、今も尚美しく舞い続ける彼女を見つめた。


と、不意に視線が絡み合う。
にっこりと挑戦的に笑うと今までとは違う踊りを展開し始めた。

舌を出し、キスをねだる顔。手を首に絡めて全身の色気を惜しむこと無く溢れさせる。
やがて首にあった手は控えめな胸を通過して下腹部へ。
その周辺をまさぐりながら腰を回す。揺らす。

その間も、視線は絡み合ったまま。

ゴクリ、と生唾を飲み込む音が響いた。
彼女から目を離さずに交渉相手へ質問する。

「ねえ、彼女上がる時間何時だい?」

「は・・・?あぁ。えーと、あと30分位ですけど。」

「そう。」

カタリとフカフカのソファーから立ち上がる。


「あ、あの、折原さん!?」

「交渉内容は後日連絡しますよ」

スタスタと出口に向かった彼はにこやかな笑みを浮かべたままVIP席から出ていってしまった。




舞い終わった彼女を迎えるために裏口へと足を運べば丁度良いタイミングでドアが開いた。

フワリとブロンドが舞うのを見て彼女だと確信しその後ろ姿に声をかけた。

「やぁ、紀田さん。」

「ふぇ?」

クルリと向きを変え、臨也の顔を確認した途端ニヤリと笑う。

「あぁ、VIP席に居らした方ですね?私をずっと見てた・・・」

臨也の首に腕を絡めて下から媚びるように眺める彼女。

「私のダンス、如何でした?貴方の為だけに踊ったあのダンス、満足して頂けました?」

「えぇ、それはもう。」

ブロンドに口付けてにっこり笑う。

「ふふふ、嬉しい・・・」

そのままギュッと抱き着かれ、腰を抱いた瞬間違和感。
そして胸元を密着させたとき、その違和感は確信へと変わる。

「君は何故女の子の格好をしているのかな?」

勝ち誇った表情は一瞬影を潜めるも、すぐに再び浮かぶ笑み。

「貴方のような方をダンスに誘うためですよ?」


そのままヒラリと離れると優雅な礼を一つ。


「私と踊りましょう、素敵な殿方?・・・そう、力尽きるまで・・・」

まるでマリーアントワネットのような彼に誘われるように手を伸ばす。


再度腰に手を回して引き寄せて顎を掴んで口を開いた。


「喜んで。俺の腕の中で俺だけのためにとっておきのダンスを頼むよ。」


その言葉に不敵に笑った彼の唇に誘われるように墜ちていった
















さあ踊りましょう、よがり狂うまで

(親愛なる貴方に)(過去最大級の情熱な一夜を)






脳内ループしている何かわからない曲の歌詞を使いたかっただけです。
「さぁ、踊りましょう。力尽きるまで〜」の所がずっと頭から離れません。何の曲でしょうか?←

ていうか臨正の正臣がデレてる時は大体ビッチ。






100522



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