じとじと
「正臣、」
「・・・・・・」
じとじとじとじと
「正臣、」
「うー・・・・・・」
じとじとじとじとじとじとじとじと
「もう諦めたら?」
「ちょ、ちょっとまて帝人。あとちょっとな気がっ
クルン
「ぷっ」
「ああぁぁぁぁぁぁぁ!」
鏡の前で項垂れる正臣。
ピョコピョコと外向きにはねあがった髪の毛は、起きた瞬間のそれから全く姿を変えていなかった。
「もう良いでしょ?」
呆れる帝人に首を振る。
「ああああ、もう!梅雨なんて嫌いだっ!」
半泣きになりながら叫ぶ正臣。ブラシとドライヤーを持ってもう一度ブローするも、一向に直る気配がない。
「何でそんなに髪の毛に凝るかなぁ・・・」
ボソッと呟かれた声に驚き振り返る正臣。
「おま、モテる男はサラサラストレートって相場が決まってんだぞ!?」
「ストレートにしたいならストパーかければ良いじゃない」
「馬鹿っ!天然じゃないとダメなんだよ天然じゃないと!」
そう言ってもう一度鏡に向き直る。
独特の湿気に、癖毛は大喜びではね上がる季節、それが梅雨。
湿気に翻弄される人は少なくなく、正臣もまたその中の一人だった。
「う゛ー、直らんー!」
唇を突き出しながらブローする正臣の姿が何時もより幼く見えるのは、きっと外に跳ねた髪のせいだろう。
思わずクスリと笑えばいよいよ頬を膨らます正臣。
「どうせかっこわるいとか思ってんだろっ!」
拗ねた表情を鏡が映し出していて。
しょうがない、そう思い正臣の髪に触れる。
「うあ、何・・・」
「僕は外跳ねも良いと思うよ?」
優しく撫でればピクリと反発する髪。
「でもっ・・・」
「可愛いよ?」
「っ!?」
にっこり微笑みながら言えばババっと赤く染まる頬。そんな正臣を眺めながら続ける。
「僕は、髪が跳ねてる正臣も好き」
「ーーー〜っ!」
「だからさ、このままで良いんじゃない?」
「っ、しょうがないな!帝人がそこまで言うんだったら・・・・・・このままにする・・・・・・」
真っ赤な顔で下を向きながら発されたその言葉を聞いて、静かに微笑み弄んでいた毛先に口付けた。
朝のひととき
(やっぱり気になる・・・!)(大丈夫、どんな正臣も可愛いから)
バカップルぷまいです(^p^)
帝正はバカップルだと・・・すごく・・・嬉しいです・・・
100520