パカ、と大学ノートを開けばハラリ、と落ちるノートの切れ端。
慌ててそれらを拾い集めて元あった位置に挟み直した。
お世辞にも綺麗とは言えないそのノートはあの日からはじめた君ノート。
初めてこのノートを開いたのは正臣に一目惚れした夏。
彼と喋った事を忘れないように記録していった。
好きなもの、嫌いなもの、欲しいもの、大切なもの・・・・
そのノートには”正臣”という個人のデータが事細かに記載されていた。
世界で、たった一つの正臣の本。
己で書き貯めた情報はきっと誰も知らないものばかり。
(きっと、情報屋のあの人だって知らない。)
僕だけの、可愛い正臣。
10代目に入ったそのノートを眺める。
最近は新しい情報が入る事も無く、ただただ会議録のように綴られる日常。
例えるなら日記帳。ただし正臣限定の。
中に書かれている内容の全ての主語が正臣。
正臣正臣正臣正臣正臣正臣正臣・・・・
相変わらず正臣尽くしのそのノートに苦笑して、パタン、と閉じた。
「ほんと、一途だよね、僕。」
呟いて表紙を見つめる。
「僕だけの、宝物。」
表紙に貼付けられたのは優しい笑みを浮かべた少年の写真だった。
きみ攻略マニュアル
(これ全部が君と僕の歴史。)(僕はこのとっておきの参考書で君を落としてみせよう。)
帝正は書いてて楽しいですね!
連載で煮詰まるときっと帝正が増えます。増殖します。もさもさ増えます。
近頃の悩みは正臣が可愛すぎることと帝人様がかっこ良すぎる事です。
この二人は私をどうしたいの・・・・!
100518