時は平安。
藤原家によって行われていた摂関政治の最盛期。
この世の全ては藤原家のもの。
それが常識とされてきた頃、藤原家に対抗する新たなる派閥が現れた。
それが紀田家
見眼麗しいく、頭脳明晰なその一族は次々と皇子達を魅了していき、華の藤原時代は幕を閉じた。
そして入れ替わるように紀田時代が幕を開け、十数年。紀田家には新たに二人の子供が生まれた。
名を正美と正臣と言う。
姉の正美の美しさは京の都一と言われるほどで、容姿端麗、才色兼備の二文字がよく似合う娘。
そして弟の正臣。彼はその性別を疑われる程の美貌の持ち主だった。姉の正美によく似ていると言われ、間違われることも暫しあった。そして文武両道。
そんな二人を皇子達がほって置く筈もなく・・・・・
やがて二人は王室で繰り広げられる小さな事件へと巻き込まれて行くのだった。
プロローグ(完)