傍観者の彼女
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※甘楽ちゃんと正臣しかいない
※甘楽ちゃんと臨也は別人です

4月某日、俺は臨也さんにメールで呼び出されて新宿のマンションへと足を運んだ。
インターホンを鳴らすことなく部屋に入る。

「お邪魔しまーす。・・・ってあれ?臨也さん?」

いつもならいる筈のオフィスへと足を進めても臨也さんは居らず、パソコンの電源も入っていない。

おかしい、と首を捻りながら帰ろう、と決意し回れ右をした。

ボフッ

「っ!?」

「きゃー、バキュラさんったらだいたーん!」

顔は柔らかいものに埋まっているらしくフワフワしている。上から降ってきた声は明らかに女性特有のそれ。

でもここは臨也さんの部屋で、一人暮らしで、ここに女性がいるはずがなくて・・・混乱している頭では考えがまとまらないらしい。自分がどのような状況にいるのかも理解できずにいた。

「あたしは良いんですけどぉ、きっと臨也が帰ってきたらビックリするから顔上げた方が良いですよぉ?気付いてないようだから言いますけど、貴方が顔を埋めてる場所、あたしのおっぱいです」

「っ!!すいません!!」

慌てて離れれば女性の顔が目に入った。

まさしく才色兼備、という言葉がぴったり当てはまるその人。どことなく臨也さんに似ているのは気のせいだと思いたい。黒い髪は長く、軽くウェーブしていてとても魅力的だ。

「あははっ、良いんですよぅ!紀田正臣くんですよねぇ?よく臨也から聞いてますよぉっ!」
「は、はぁ・・・」
「あ、自己紹介わすれてたぁ!あたし、折原甘楽って言います☆臨也の双子の姉ですっ」
「はぁ・・・・ってええ!?臨也さんの?」

なんの悪い冗談だろうか。目の前の美女は臨也さんの血縁者らしい。でも、まともな人な気がする。



そんな俺の予想は10秒で破られることになる。

「あのね、あたし臨也から正臣君のこといろいろ聞いてて、会いたくなったから臨也のパソコンから勝手にメール送っちゃった!」

てへっ☆と笑う彼女がなぜだか急に臨也さんに見えてくる。

折原家の遺伝子はいったいどうなっているのだろうか。誰か調べてくれないだろうか。


「てゆうか、聞いてます?」

「え、あ、はい。」

急に話を振られて焦るが、彼女は気にせず続けた。

「あたしぃ、正臣くんの事知りたくていっぱい隠し撮りしちゃったぁ☆」

「はぁ?何やってるんすか!?」
「まぁ良いじゃん良いじゃん。」

見て見て〜!と俺にケータイを見せる彼女。


そこに写っていたのは・・・



「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
「可愛いよねぇ正臣くん。こんなに泣いちゃって、臨也にしがみついちゃってぇっ」
「消してください!今すぐに!!」
「えー、ヤですよぉ!宝物ですもん!!あ、因みにムービーもありますよ?アンアン高い声で喘いじゃってる正臣くんも可愛いっ!こんど着信音にしようかしら?」
「止めてください!!」


俺と臨也さんの夜の写真だった。


(え、この人いつ居たの?てゆうか臨也さん知ってて・・・!?あのっ、変態!!)

「どぉしたんですかぁ?」
「聞かないでください・・・・」



ふぁぁぁ、ヤバイヤバイヤバイ!!恥ずかしくて死んでしまいそう!!





傍観者の彼女

(ただいまー、って、甘楽と正臣くん?)(っ!!死ね変態!!)(え、俺何かした!?)


臨正?甘正?・・・臨正前提甘楽+正と言うことで・・・!←





100424




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