朝、集会にて
―――――――




※突発SS



「うはぁ・・・臨也さんかっこいい・・・」
「正臣、そのだらしない顔どうにかしなよ」
「うー、はぁ・・・かっこいい・・・」



生徒会長である臨也はマイクを通してスピーチを繰り広げる。

眉目秀麗、成績優秀。さらに生徒会長と、モテ要素を併せ持つ彼はモテる。
集会ではいつもざわめきが絶えない。


――――ですから、今学期は――



淡々と原稿を読み上げる臨也をじー、と見つめる。

そんな正臣を見て苦笑する帝人。

「よく飽きないね」

「当たり前だろ?お前だって静雄先輩見てんじゃん。」

「あの人は面白いからね」

「あ、そう・・・」

と、臨也はスピーチをしながら視線をさ迷わせた。まるで何かを探しているかのように。


「なぁ帝人。先輩何探してんだろ・・・」
「さぁ、彼女じゃないの?」
「まさか!先輩に彼女は居ないぞ!」
「じゃあわかんないよ・・・ていうか僕に聞かないで。」
「えー、帝人のいけずー」
「そんなことより、折原先輩見なくて良いの?」

口を尖らせてブーブー言っている正臣を促せば、あぁそうだった!と慌てて視線を戻す。

そして、そのまま固まった。

「え・・・?」

(なんか先輩怒ってる・・・?)

先ほどまで微笑を携えていたその顔。今も笑っているのだが目は笑っていない。
そしてその視線は間違いなく正臣と帝人に向けられていた。

(俺もしかして何かした・・・!?)

首をかしげる。だいたい相手は壇上で自分は床。何かをできる距離ではない。



「――です。続いて各委員会からの連絡に入ります。」

臨也は何かを言っているようだが右から左へ抜けていく。必死に彼の機嫌が悪くなった原因を考えていた。


「最後に風紀委員の紀田正臣」

「ふぇっ?」

急に呼ばれ変な音をだす正臣。

「終了後すぐに生徒会室へ来てください。俺からは以上です。」

生徒会室、という単語に周囲の視線が正臣に集まる。

「は・・・って、えええ?」


壇上へと目を向けても既に臨也は居なくて。

視線の作る舞台には正臣だけが残されていた




朝、集会にて

(俺としたことが、)(後輩に嫉妬するなんて)


嫉妬臨也。
うーん、続くと思います。
最近中編書きたくなります←

100424



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テーマ「人外ファンタジー」
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