それはただのRain Story
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※   捏   造    !
※病み気味



雨が降る。
雨が降る。
雨が降る。


雨が静雄の心を壊していく。

始めに降ったのは冷蔵庫を持ち上げたあの日。
しとしとと降り注いだ雨。冷たくて冷たくて冷たくて。ただひたすらに冷たくて華奢なその体を震わせた。

次に降ったのは学校で机を投げたとき。
同級生の視線はあの時よりも冷たくて。冷たくて冷たくてそのとき雨には気がつかなかった。そして帰路に着いたときじわじわとやってくる冷たさに心をふるわせた。


怒りに体を乗っ取られるたび静雄に降り注ぐ冷たい冷たい雨。
雨にしては冷たすぎる。しかし雪にしてはその身に染み込みすぎる、そんな不思議な雨。

あぁ・・・・
冷たい冷たい冷たい冷たい冷たい冷たい冷たい冷たい冷たい冷たい冷たい冷たい冷たい冷たい冷たい冷たい冷たい冷たい冷たい冷たい冷たい冷たい冷たい冷たい冷たい冷たい

飽きもせず心は冷たい毎日を送る。


いつしか高校生になり、臨也に出会う。
そして




全てを否定された




大人になると共にその雨は更に激しさを増す。
びしょ濡れにももう慣れた。そういって静雄は儚い笑みを浮かべる。あぁ、もうどうにでもなれ!そう思い始めている己に気づき始めていた。


そんな時だった。一人の少年に会ったのは。
その少年からは自分と同じ何かを見つける事が出来た。
そして少年の儚い笑みに恋に落ちたのだった。



少年も同じだった。
池袋という街で偶然出会った一人の青年。
その何故かいつも寂しそうな瞳を持つ青年が気になった。
そして触れ合うたびに感じる優しさに惹かれた。



いつしか二人の思いは通じ合う。
この人になら全てを話しても良い、と思えた。
二人は全てを相手にさらけ出した。
そして青年と少年は相手の弱さに取り付かれた。

少年に会って自分は少し変われた、そんな気がした。



そんなある日、青年にまた雨が降り注いだ。
少年と出会ってから一度もなかったのに。

ポタリ

一滴の涙がこぼれる。

ポタリ、ポタリ。

いままで一度だって泣いた事はなかった。雨が降ってもどこか冷静な自分がいた。


いた、のに・・・

一度流れただした涙はもう止まらない。ただただ涙を流し頬を濡らし続ける自分はなんて滑稽なのだろう。

少年に出会ってから弱くなってしまった。あきらめる、という事を忘れてしまったみたいだ。



「静雄、さん」


少年の優しい声が青年の名を呼んだ。



「静雄さん。」


そしてそっと背中に回された腕。



驚いて前を向けば今にも泣き出しそうな少年の姿。




あぁ、今彼にも雨が降っているのだろうか。


ギュゥッと青年の胸板に顔を思いっきり埋める少年。肩が小さく震えている。



―――抱きしめてぇ



初めての感情に動揺する。そっと少年の背中に手を回そうとしたがその手は途中で止まった。


―――壊したくない。こいつだけは・・・絶対に・・・



今自分が抱きしめれば壊れてしまう、そう感じずにはいられない。


―――だって俺は、俺は



破壊を繰り返すだけの






ただの化物











すっ、と頬に手を添えられた。眼下の少年は先ほどと同じように笑う。切なく、切なく・・・・





「抱きしめて、ください。静雄さん」



「俺は強い、です。」







それはただのRain Story

(抱き寄せられて分かったのは)(青年の優しい強さだった)




静正布教し隊!と言うわけで・・・
静正らしからぬ切ない感じをイメージしました。

切ない静正はありでしょうか?



私は静正ならなんでもOKで(ry
ていうか毎回ながら意味不明で申し訳ないです。


100409



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