さて、どうしたものだろう。
現在、僕は紀田君と二人、帰路についている。
時々寒いギャグを交えながらナンパのコツを語り続ける彼に、僕は適当に相槌を打つ。
夕飯何食べようかな、なんて考えながら……
「帝人ー??」
考え込んでしまったらしい。声のする方を向くとそこには紀田君が居て。
どうしたんだー??なんて首をかしげている。
そんな紀田君を見て可愛い、なんて。
ーーましてや、唇を奪ってしまった、だなんて。
思い出して、頭を抱えたくなった。
同時に離れたときの彼の顔も浮かんできた。
あんな顔、初めて見たな。
それもそうか。普通の友達のあんな顔見る機会そうそう無いもんな。なんて考えて苦笑する。
それにしても・・・耳まで真っ赤に染めた彼も可愛かった、だなんて思っている自分を不思議に思った。
――田中太郎さんが入室しました――
【こんばんはー】
[ばんわー]
[田中太郎さん、今日は早いですねー]
【ええ】
【今日は良いことがあったんですよ】
[そうなんですか]
【はい】
【あのですね】
ーー甘楽さんが入室しましたーー
《はいはーい!!皆のアイドル、甘楽さんですよーっと》
《何の話ですかぁ??》
[ばんわー]
【こんばんはー】
[田中太郎さんがですね]
・
・
・
・
・
あぁ、もしかしてこれが・・・
ハローハローハロー
(恋ってやつなのかな??)(まさか、ね。)
鈍感すぎる帝人と、帝人に片思いしている正臣。
アニメの帝人と正臣を意識しました。
100316