年に一度の
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※意味不の絶頂



今日は一年に一度、臨也さんに自分から電話をする日。
ケータイを取り出して番号を押す。
ここが一年で一番緊張する瞬間だとおもう。手が震えるし、心臓の音も激しい。
遠くで呼び出し音が鳴り始める。

――どうしたの、正臣くん。
10秒もしないうちにケータイは相手の声を正臣に届けた。
「おはようございます。実は言いたいことがありまして」
心臓の音が電話を通じて相手に聞こえてないことを祈る。
――ふぅん。言ってみてよ。
電話の相手の顔が嫌でも浮かぶ。今頃きっとニヤニヤしてるんだろう。だって、これを言うのはもう三回目なのだから。

「ずっと好きです、臨也さん」

ドキドキドキドキ、返答はわかっていてもやはり緊張する。

――ふふ、ありがとう。俺は正臣のこと、大嫌いだけどね。

じゃあね、と言って電話は切られた。
大嫌い、だなんて言われたのに胸の中には幸福が詰まっている。
俺がMなわけじゃない。嫌いだと言われたら傷つくし、好きだと言われたら嬉しい。
だけど、今日は特別だ。

今日は神様が俺にくれた大切な日だから……




年に一度の

(普段素直になれない俺が)(素直になれる日)



エイプリルフールネタで臨正でした!
意味不明になってしまったので簡単に解説を。
二人は付き合って三年目です。付き合ってはいてもやっぱり恥ずかしくて好きとか言えない正臣。
だから、エイプリルフールという逃げ道があるこの日だけ自分から電話して好きと告げます。
で、臨也は毎日ウザいほど好き好き言ってるので普通にエイプリルフールやってます。
要するに二人とも相手に好きって伝えてるだけです。


長々と失礼しました。

100401



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テーマ「人外ファンタジー」
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