ツンツンデレツン
―――――――




※四巻のあの発言から生まれた産物


「まーさおーみくーん」
ガシッと腕を掴まれて振り返った少年の顔は不快感を隠そうともしない。
「何ですか離して死んで下さい」
辛辣な言葉を男に向かって吐き捨て、男の手を振りほどこうとする。しかしどれだけ力を入れても全く動かない。男の顔は特に力を入れている、というようでもない。
その顔を見た少年は
「どこからそんな力が出てるんですか気持ち悪い。離してください。」
と更に攻撃する。
「とか言って、満更でもないくせに。俺はそこら辺の奴より君の力の強さを理解しているはずだよ?」
男は笑顔を絶やさずに問いかける。対する少年は手に力を入れているからだろうか、若干頬が紅くなっている。
「……とにかく離してください。」
「またまたぁ、本当は嬉しいんだろ?俺に声をかけてもらえて、さ。ほら、自分に正直に生きなよ。そうしないと損するよ」
「うわっ!」
いきなりグイッと手を引かれバランスを崩す。

チクリ
首筋に瞬間的な痛み。
「またねー」
掴まれていた腕はいつの間にか解かれており、少年の視界には颯爽と歩く男の後ろ姿が。


首筋に手を持っていき、噛まれた部分を手でなぞる。
「やられた………」
その場に座り込み、足の間に顔を埋める。
「こんなとこに付けられたら暫くパーカー着れねーじゃん。臨也さんのバカ」
外から見える肌は真っ赤に染まった耳だけだった。



ツンツンデレツン

(掴まれた右手の痛みが心地良い、なんて)(死んでも言うもんか)




あれ?デレすぎたかも。臨正で正臣がツンツンデレツンになる話が書きたかったのです。あれ読んだときにデレを入れるところが可愛すぎましたねwww←

100331



―――――――



第3回BLove小説・漫画コンテスト結果発表!
テーマ「人外ファンタジー」
- ナノ -