あなたの香り胸いっぱい吸い込んで
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※情事後


「んんっ」
寝返りを邪魔されて意識が浮上するする。
目を開けると、そこには終わる事のない肌色が広がっていた。しばらくそこを見ぼーっとつめていたがだんだん覚醒してきた頭で昨夜の事を思い出す。
そういえば俺は結局静雄さんと・・・
刹那バババっと赤くなる頬。昨夜は結局自分から求めてしまった事を思い出して熱くなる。あぁもう!恥ずかしい、恥ずかしすぎる!
与えられた時の満足感までもを思い出してしまう自分が嫌になる。人生で一番幸せな瞬間だ、などと思ったことは誰にも内緒だ。
で、今俺は静雄さんに抱きしめられているのだろう。背中に回る腕が何とも力強くて彼らしい、と安心してしまう。しかし、この状況では朝食を作れない。目が覚めた時から腹が減って仕方ないのだ。それに、静雄にも是非朝食を作ってあげたい。

「静雄さん」
少し小さめな声で呼びかけるも、完全に寝入ってしまっている彼には届かない。
「静雄さん」
先ほどよりも大きな声で呼びかける。
「・・・・んう?」
「っ!!!」
な、なんだこの可愛い声は!上から降ってきた声は正臣を悶えさせるには十分な物だった。そおっと胸板から顔を離し顔を盗み見る。
そこに普段の彼の面影はなく、何だか・・・・そう。
「大型犬を飼ったみたいだ。」
自然に笑顔がこぼれた。その時背中に回っていた彼の腕に力が入った。
すん、と鼻を動かすと静雄さんの匂いが胸いっぱいに広がった。

「たまにはこんな日も、良いかな・・・」
まだ腹は減ってるけど。そう思い苦笑しながら、俺はもう一度夢の世界へ旅立った。




あなたの香り胸いっぱい吸い込んで

(おい、紀田?)(って、寝ちまったか。)



ちなみにシズちゃんは名前を呼ばれた時点で起きています。この二人のCP可愛いよっ!





100330



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