好転後に暗転
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※ちょっとマニアック
※これぞやおい。

グリッと押し込まれたのは何のへんてつもない、ただのイチゴだった。

「っあ!」

思わず漏れた声。二個、三個と立て続けに押し込まれれば、中でイチゴがつぶれたのだろう。甘酸っぱいイチゴならではの香りが漂った。
次いで体内にイチゴの汁が漏れ出す。まるでゆっくりと中だしされたかのようなその感覚に正臣は身震いをした。

「可愛いなあ、正臣君は。イチゴで感じちゃったんだ?」

「っん、うるさ・・・」

くに、といつの間にやら前に回されていた手によって先端を擦られたことにより、必死に保っていた先走りが竿をぬらす。
つつー、と垂れたそれはポタっと床へ落ち、水溜りを作った。
前を弄るのと同時に後ろのイチゴを詰める作業も再開され、じわじわと身体の熱を高められる。限界が近づいているからか臨也の指の動き一つ一つに過剰反応してしまい自己嫌悪に陥っていく。と、その時全ての動きが停止した。正確に言えば、正臣の身体に与えられていた快楽源無くなったのだ。

「ふあ?」

快楽に溺れていた正臣は顔を上げる。思わずもれてしまった声に思いのほか優しい手つきで臨也は正臣の頭を撫で、

「安心して。これから天国の扉を叩かせてあげるから。」

一気に地獄へと突き落とすのだった。

「ほら、正臣君。手、ちゃんと床に付けてね?お尻上げて、ほら。」

「は?へ?」

不思議そうにしている正臣のグイッと手を引っ張りしっかりと手をつかせ、次に腰に手を回して臀部を高く上げさせる。それから一番バランスの取り易い体勢にさせて、前に向かせなおした。そして自分はしっかりと正臣の細腰を掴み高らかに宣言する。

「はい、じゃあ行きまーす!」

ジュウゥゥゥゥゥゥ

「ひゃあああああああ!」

ビクリと跳ねる腰。正臣はイチゴが一気に逆流するのを感じた。背筋に電撃が走り、自然と背を反らせる形になる。
何が起こったのかを、パニック状態に陥った正臣の脳では理解することが出来なかった。

「ひ、や、なに、」

「ん?いやぁ、美味しかったよ、正臣くん味のイチゴ。」

背後にいる彼の表情を見ることは出来ないが、きっとイヤな顔をしているに違いない。その根拠は先程の言葉。先程の言葉で正臣は何をされたのかを知ってしまったのだ。

「っ!?ばか、なにし、っああああ!」

再びジュルリと深く吸い込まれ、思わずビュルルルと精を放ってしまう。

「あはは、イっちゃったんだ!」

「っはぁ、はぁ、あんたがっ、へ、なことするからっ、」

荒い息の中で必死に吐いた悪態を物ともせず静かに尻の輪郭をなぞってからふと、顎に手を移す。

「うーん。これから俺の好きな食べ物は正臣くん味のイチゴだな。」

一人うんうんと頷いた臨也。端から見たら変態としか言えないようなその発言。はぁ、と知らず知らずのうちに口から出てしまった溜め息をそのままに、正臣は振り返りグイッと臨也のVネックを引き寄せた。

「!?」

驚きのあまり目を見開く臨也を横目に唇をぶつける。

「んんっ」

そしてくちゅり、と自ら舌を絡め始めた正臣に今度はニヤリと笑って舌を伸ばした。
互いが互いを求めるように舌を絡め、唾液を交換する中、やはり経験の差なのだろう。正臣の息が不規則になってくる。そして、限界を迎えたのだろう、ちゅぽん、という音と共に正臣が離れていったが臨也は止めなかった。

「ふぁ・・・普通のイチゴと変わらない・・・も、恥ずかしいことを例え俺しか居ないとしても言わないで下さいよっ・・・」

顔を赤らめながら呟いた彼はクルリと背を向け小さくお風呂借りますとだけ言い、そのまま駆け足で逃げてしまう。
その後ろ姿をしっかりと見守ってから臨也はのっそりと腰をあげた。

「まったく、甘いよね、正臣くんは・・・あれだけで俺が満足できるわけないじゃない。」

立ち上がりに対して軽い足ですたすたと歩き出す。
さぁて、どうしようか。脱衣所に入り込んでやろうか、それとも風呂に入ったあたりに登場してやろうか。
どちらにせよ、臨也にとって良い方向にしか転ばない選択肢にニヤリと笑みをこぼした。







好転後に暗転

(うわ!何入ってきてんすか!)(あんなので足りるわけないよね。身体借りるよ?)





穴吸引の話から出来た小説です。エロをどこまで健全に書くかが課題でした。
これまたチセさんに押しつ・・・捧げます!チセさん・・・好き・・・//
地味に正臣からちゅうさせてみました。正臣が自分からちゅうしに行ったら折原氏はビックリするだろうな!と思いまして。
因みに、正臣の中に入っていたイチゴは臨也の二回の吸い込みで完全に臨也のお腹の中に入りました。折原氏の吸引力半端ないっす・・・
では、ここまでお読みいただき、ありがとうございました!




100810



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