嫌い
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※甘楽≠臨也


むぎゅう、と後ろから柔らかいものを押し付けられ、正臣は溜め息を漏らす。

「なんですか甘楽さん。」

「きゃはっ!正臣くんを困らせる作戦第一段ですよう!」

キャピキャピと笑う甘楽に眉を潜めざるを得なかった。

「甘楽さんは何をしなくても、居るだけで困るので何の問題もありません。」

「やーん、酷いですよぅ!」

「きも・・・」

「何でですかぁ?甘楽ぁ、正臣くんのだぁい好きな女の子なのにぃ」

「・・・・・・」

「ええっ、無視!?」

甘楽、泣いちゃう、などと嘯くこの人をどうしようと正臣は頭を捻るも良い案は見当たらない。
折原臨也の双子の姉だか妹だか忘れたが、何ともまぁ折原家はこんなにも面倒なのだろうか。
白い肌に赤い目、それにウエーブのかかった黒く長い髪を携えた彼女は、世間から見ると絶世の美人らしいが、正臣は彼女に魅力を感じたことなど無いし、逆に嫌悪感を持っているのだ。

「もー!そんなことしちゃうと、甘楽ぁ、そこらへんの男の子逆ナンしちゃうぞっ!」

「それはそこら辺の男子が可哀想なので、するなら臨也さんにして下さい。」

「えぇーーーー!嫌ですよぅ!甘楽、臨也に興味ないですもん!」

「奇遇ですね、俺も甘楽さんに興味ありません。」

例えばつれなく返事をしても

「甘楽はありますよ?むしろ有りすぎて困っちゃうくらいです!正臣くんはどんな声で啼くのかなとか、どんな顔でよがるのかなっと気になっちゃって夜も眠れません」

「変態・・・死ねば良いと思います」

冷たくあしらっても、

「もう!そんなこと言って、甘楽が本当に死んだら悲しむんでしょう?まったく正臣くんは本当にツンデレさんですね!」

その度に良いように解釈して一人で喜んでいる所が嫌いである。

「正臣くん、甘楽ぁ、正臣くんだぁい好き!」

「はいはい俺は嫌いです」

「そんなこと知らないですよぅ!」

でも、自己中で嫌いで仕方ないのに

「正臣くんは甘楽の事が本当は好きで好きで仕方がないの知ってますもん」

この言葉をすぐに否定出来ない自分が一番嫌いなのだ。











嫌い(面倒な甘楽さんも)(もやもやしているこの気持ちも)(みんなみんな大っ嫌い)





甘楽×ツン正臣です^///^
正臣のツンデレが可愛すぎて生きるのが辛い・・・














100730



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