君の魅力を言い当てようか
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※正臣がおんにゃのこ
※珍しく正美ちゃん


「紀田さん可愛い・・・」

杏里が恍惚とした表情で呟く。

「えー、私より杏里の方が可愛いって!」
「いいえ、紀田さんの方が数百億倍可愛いです。竜ヶ峰君もそう思いませんか?」

きっぱりと言い切ってほぅ、と見つめた後、近くに居た帝人に声をかけた。

「え?僕?園原さんも可愛いと思うよ。まぁ正美はそれを越えるほど可愛いけど」

「ぅえ?み、帝人・・・?」

「だって正美の可愛いところ羅列したら1日終わるし。」

ニコニコ笑いながら平然と言ってのける帝人。

「そうそう。正美ちゃんの可愛らしさは何者をも越えるよねぇ」

と、突然入り込んできた声に驚く。バっ、とそちらを向くと自称素敵で無敵な情報屋の臨也の姿。

「正美の可愛さは僕が知ってれば良いんです」

すると先刻とうって変わって物凄く嫌そうな表情を浮かべた帝人。

「何言ってるんだい?正美ちゃんは俺の前でこそ輝く!」

「貴方こそ何を言っているんですか?紀田さんは一人でも輝いています。」

「俺の前が一番だよ。」

「いいえ、僕です。」

「ほう?帝人くん。そう言うことなら俺と勝負するかい?」

「・・・望むところです。奇数は貴方にくれてやりますよ」

「へぇ?余裕だねぇ。」

二人は鋭く睨み合うと瞳を閉じる。そしてばっと開き、正美の方を向くと同時に叫んだ。

「「紀田正美の魅力言い合いゲーム!!」」

「へ?」

唖然とする正美を他所に臨也が一声を放つ。

「1、ふわふわのロングヘアー!」

「2、ふにふにな頬」

叫んだ臨也に対して冷静な帝人。

「3、綺麗な手」

「4、高すぎず低すぎずな声」

次々と羅列される文字に正美は顔を赤らめて蹲る。

「5、俺にだけツンデレ」

「6、僕だけに見せる甘えた顔」

「7、手先が器用」

「8、手料理」

「手料理・・・羨ましいなぁ、実に羨ましい・・・9、魅力的な笑顔」

「10、健気」

「11、細い太もも」

「12、ベッドでのか」

「みみみみみみ帝人!ストップストップ!」

蹲っていた正美がバッと顔を上げ叫んだ。そしてリンゴよりも赤くなった頬を隠そうともせず立ち上がる。

「そういう話はこういう場所で話すことじゃないっ!」

ポカポカと帝人を殴りながら力説する正美に帝人は冷静な表情を向けた。

「だって正美の魅力の1つでしょ?ベッドの中で」

「だからっ!ベッドとかそういう不穏な単語を出さないっ!」

もー、もー!と呻く正美。その細い肩に手をかけてグイッと引っ張れば簡単によろけて帝人の腕の中に収まる。

「えー、だってさ。」

昨日も僕の腕のなかで可愛くて啼いてたじゃない。耳元でぼそりと呟けばバッと離れられた。

「おおおおまえ、それは言ってはならない言葉でそのだから・・・!」

俯いて小さな声で何かを呟くとクルリと臨也と杏里の方を向く。

「わるいっ!ちょっと帰るわ」

そう言うが早いか帝人の腕をグイっと引っ張るとそのまま駆けていった。

その場に残された臨也と杏里は暫く呆気に捕らわれ、

「結局あの二人はデキているってことだよね?」

「はい、多分・・・」

そのまま各々の家へと帰っていく。




「正美、正美!」

彼女が向かっていたのは帝人の家。後ろを向いたままの正美の耳は真っ赤に染まっていた。
そして帝人は彼女が何を求めているのかを全て理解し、

「ふふふ、可愛い正美。」

カチャリとドアの鍵を開け、正美を誘う。家に入った途端抱き着いてきた正美を抱き締め、そのまま―・・・













君の魅力を言い当てようか

(今日は積極的だね)(私だってたまには欲しくなるんだよ。)





「女体で杏里も加わり争奪戦。覚醒帝人様が勝利」と言うことでしたが・・・
あれ・・・?争奪戦・・・杏里どこ・・・?
最初の方しか杏里出てませんねorzすいません。
しかも覚醒帝人様が勝利って初めから負ける気がしない感じになってしまってます。
あわわわわ、勢いでガッと書いちゃうんで何だか色々違いますね。

では、正誕リクエスト協力ありがとうございました!









100714



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