※不思議な少年と繋がってますが、単品でも読めます
「うわぁっ!凄い星っすね!」
ゴロン、と寝転がった正臣は歓喜の声を上げた。
「だな。晴れて良かった、本当。」
同じく横になった静雄が呟けば二人とも頷く。
「今日は星が綺麗に見えるって新聞に書いてあったからね。」
一人足を立てて座っている幽はそう言うとグイイイッと伸びをした。そしてもう一度空に視線を移す。それにしても見事な空だなぁ、と眺めながら今日までの日々を思い返した。
この日、静雄と幽は正臣を誕生日会をするからと呼び出していた。
今回もまた、たまたま二人のオフと土曜日が被っていた。さらに正臣の誕生日もその日だと門田達から聞き(何故知っていたのかは不明。彼らはずいぶん前から知り合いだったようだから、その時に聞いたのだろう。何とも羨ましい事だ。)、急遽誕生日会という形で何かをしようとなったのだ。
なので正臣にメールを出し予定を確保したのは良いのだが、何をするか、というのが中々決まらない。在り来たりな感じでケーキとプレゼントでお祝いも良いのだが、自分達らしくないという理由から却下された。
そんなこんなで悩んでいた時、静雄が読んでいた新聞に6/19に星が綺麗に見えるという情報に気づき、天体観測に決定されたのだ。
「幽さんも横になって見てみてください。なんかこう、星が落ちてきそうなんですよ!」
ニコニコと話しかけてきた正臣に現実に引き戻される。
「そうなんだ。じゃあ俺も横になろうかな・・・」
勧められるままにゴロン、と横になれば成る程、確かに降ってきそうな星空だった。
「正臣ぃー」
「はい、何ですか静雄さん」
ぐるりと寝返りを打った正臣は静雄の方を向く。
「抱き締めさせろ。」
「はい?」
「あ、狡い。俺も抱き締めたい。」
「ええっ!?」
驚いている正臣を置いて話を続ける二人。
「じゃあまず幽が抱きつけ。で、俺が反対側から抱き締めるから。」
「でも兄貴・・・」
「俺はいつでも会えるけど、幽はなかなか会えねぇだろ?」
「まあそうだけど・・・」
「あの、ちょっと?」
「ねぇ正臣。抱き締めて良い?」
真剣な眼差しで問いかける幽が何だか面白くて、なけなしの母性本能が頭をもたげた。
「ふふ、良いですよ。」
「ありがとう。」
めったに見れない笑顔と共に抱き着く幽。続いてその上から腕を回す静雄。
ギュゥゥゥゥ、と抱き締められ両首筋に顔を埋められ何だかくすぐったい。
「あははは、擽ったいですよ!それにく、苦しっ」
思わず笑えばそれに釣られて二人も笑う。
「何だか両手に華ですね」
正臣がそう漏らしたとき、流れ星が流れた。三人を見守るかのように、優しく、誰にも知られずに。
北極星
(俺たちの生活には君が居て)(君中心に回ってるんだ。)
と言うことで静正幽でした!
この三人は何で兄弟じゃないんだろうかと思います。
実はシズちゃんと幽の知らないところでお母さん達が作った弟っていう落ちを密かに期待しつつ。
では、流れ星様!リクエスト協力ありがとうございました!
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