「HappyBirthday正臣。」
「おう!ありがとな!」
流暢な英語で祝う帝人に照れ笑いをしながら礼を言う正臣。
ほんのりと赤く染まった頬に触れるだけのキスをして、正臣の家に入った。
山積みにされたブレゼントを付け足されただけの見慣れた光景をとらえて苦笑。僕の可愛い恋人は愛されているな、と思うと何だか複雑な気持ちだ。
でもだからといって彼に嫉妬する気持ちはない。寧ろ嫁を皆に誉められている夫のような心境である。
だけれども、自分が渡す前にこんなに多くの人からプレゼントを受け取っていたと言うのはやはり気持ち良いものではない。要するにただの独占欲であり、ただの羨望だ。だから、小言の一つや二つぐらいは多めに見てもらえるだろうと口を開いた。
「凄い量のプレゼント・・・こんなに貰ったんだったら僕のは要らないかな?」
「なっ!いるって、要る要る超要る!」
「でもこんなに一気にたくさん物が増えたら困るでしょ?」
「そ、そうだけど・・・」
俯いて口を尖らしている正臣は何とも可愛いらしい。もっといじめたくなる表情だよな、といつも思うが、今日は誕生日。
流石にいつも通りだと可哀想なので、今日はここまでにしてやろうと思ったのだが、コンマ一秒正臣に負けてしまった。
「じゃあ、さ。物は要らないから・・・その・・・帝人を頂戴?」
真っ赤な顔。林檎みたい、という表現がピッタリな顔が帝人を見上げている。
内心ドキドキしながらも必死に表面を取り繕って嫌だ、という表情を作り上げればあからさまに項垂れる正臣。この子に尻尾と耳が付いてたらきっとこれらも垂れ下がっているんだろうと想像すれば、予想外にマッチしていて思わず吹き出しそうになった。
「僕をプレゼントって・・・それじゃあ僕が正臣の立ち位置になるみたいじゃない。」
心の中で何が起こっていようとも、決して表に出さないのが帝人。ごく自然な感じで話を続ければ、正臣はうーんと悩み、そして、
「じゃあ、帝人に俺をプレゼント!」
「それじゃあまるで僕の誕生日だよ?」
「良いんだって!ね、俺を食べて?」
首を傾げてきゅるんとした目でおねだりされては仕方ない。
「じゃあ、隅から隅まで美味しく戴きます。」
「きゃ、帝人くんったらエッチ!」
「・・・しなくて良いんだ。」
「え、あ、ウソウソ!ウソだってば!」
「ふふふ、わかってるよ」
優しく優しく押し倒して、端から端まで可愛がってあげようか。
プレゼントの代わりに愛をたくさん込めて
(それにしても逆プレゼントって・・・そんなにシたかったならそう言えば良いのに。)(ううううるさい!)
正臣に帝人様をプレゼント企画(笑)第3段!
澪歌様リクエスト協力ありがとうございました!
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