コトリ、と机上に置かれたそれは、何だかものすごく場違いな物のような気がして、思わず眉根を寄せる。
「何すか・・・これ・・・」
「ん?誕生日プレゼントだけど。」
ゆるり、と回したコーヒーを啜ると、かたりとコーヒーカップを置いた臨也は、向かい側に座っている正臣の顔を見つめた。
「いや、そうじゃなくって・・・」
「あぁ、中身?たいしたものじゃないから。」
しれっ、と言い放った彼に疑惑の目を向けながら恐る恐る箱に手をかける。
そしてパカッ、と小気味よい音と共に開いたその中に入っていたものを見て目を丸くした。
「こ、おま、たいしたものじゃないですか!こ、これってだって、指輪・・・!」
「まだ君は18歳を超えていないからね。今は俺のもってるデザインと一緒のやつ。まあ、あと二年して君が18歳になった時に本物を渡してあげる。」
そして正臣からぱっ、と指輪を奪った臨也は正臣の手を取ると恭しく口付けを施す。
暫くぼーっとしていた正臣はハッと思い出したようにその手を振り払ってそっぽを向いた。
「な、に、言ってるんですか・・・それまでに俺だって可愛い女の子見つけて、」
「正臣くん、手。」
「・・・いやです。」
完全に後ろを向いてしまった彼に静かに苦笑して、指輪をそっと元に戻す。
「はいはい。じゃあ渡しとくからね。」
「要らないです。」
「わかったわかった。とにかく、お誕生日おめでとう。」
「・・・余計なお世話ですよ。」
とたん赤くなった耳。
嬉しいということを無関心だという素振りで必死に隠している姿がなんとも可愛くて顔が綻ぶ。
「・・・ほーんと、素直じゃないよね。まぁ、そこも可愛いんだけど。」
ただ、ぼそりと呟いた言葉に物が飛んできたのは予想外だったのだけれども。
君の人生を予約します
(正臣くん、つけてくれてるだ。)(ば、ちが、これは勿体無いからでっ・・・!)
あああああ、文才がなくて素敵なリクエストも水の泡にっ・・・!
このネタならもっと萌えるものが書けた筈なのに!
すいませんorz
では、正誕リクエスト協力ありがとうございました!
100625