結局あれの行方は。
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※正臣後天性女体化


美しいブロンドをなびかせながら歩く高校生ぐらいの少女に近づく一人の男の影。

「正臣くん、正臣くん!」

息を荒くしながらその影は、胸元から取り出した紙袋を少女へ差し出す。

「プレゼントさ!ほら、この前誕生日だっただろ?」

何とも良い笑顔を浮かべた臨也に押し付けられた正臣は少し躊躇いつつもプレゼントを受け取った。

「あ、りがとうございます・・・」

「ちょ、待ってって!」

苦笑いをしながらカバンにそれを仕舞おうとした正臣の腕をガシッとつかむと、その場で開けてと頼む。

「はぁ?なんで・・・」

「良いから良いから」

「はぁ・・・まぁ良いですけど・・・」

疑問符を頭の上に浮かべたままカサカサと紙袋を開ける。そして中身を見た瞬間、正臣の思考は完全にストップした。

「これっ・・・俺には必要無いですからねっ!?」

「あは、正臣に似合うかなぁ、と思ってさ。思わず衝動買いしちゃったよ!」

「これ、あんたが買ったんですか・・・この変態め・・・」

「ちょっと店員さんにビックリされたけど、彼女が欲しがってて、って言ったら綺麗にラッピングしてくれたんだよね。」

「しかも店頭でですか!?通販ではなく!?」

突っ込んでから何故か頭痛がし始めた。
もうやだこの人ただの変態だ。今すぐにでもその`プレゼント´とやらを投げ捨てたい所だが、

「うん。喜んでもらえた?」

と純粋な瞳で言われ、捨てるに捨てれない状況に変わる。仕方がないのでぐしゃりと片手に収めて

「いいえ、全然。」

と答えれば連れないなぁ、なんて。

「正臣くんは最近女の子になったばっかりだから、こういう可愛い下着は持ってないかなって思ったのになぁ」

なんて言われて少し頭に来る。

「余計なお世話ですよ!だいたい何で誕生日プレゼントにこんなっ、際どいっ、下着なんですか!」

本当にデリカシーの欠片もない、などと小言を言えば何故だか頬を緩ませる臨也。

「何ですか気持ち悪い。」

「いやぁ、可愛いなぁってね?」

「うっさい黙れ死ねよ変態」

「そんなに口で罵倒してても顔真っ赤なんだったら意味ないよ?」

「ーーー〜っ!」

「あわぁ、正臣君の顔もっと「お待たせ正臣」・・・へ?」

つつー、と臨也の背中に冷たい物が伝ったような気がした。
首筋に当たるそれは多分果物ナイフ。

「帝人おぉ!」

ひしと抱き着く正臣を右手で受け止めつつ口を開く。

「ごめんね正臣。ちょつと前に着いてたんだけど、これ買いに行ってたら遅くなっちゃったよ。」

「あのさ、帝人くん。待ち合わせに果物ナイフなんて必要無いよね?」

「それで、途中で変な輩に付きまとわれても大丈夫なように静雄さんも呼んだよ。」

「え、ちょっと、俺無視?」

「帝人っ・・・」

正臣の目には既に臨也は見えておらず、更にプレゼントの存在も忘れてしまっていた。

パサリ

・・・それが落ちるまでは。
帝人がゆっくりとそれを拾い上げる。勿論臨也の首筋に果物ナイフを突きつけたまま。そして中身を見た途端、左手に力を込めた。

「いいい痛い!痛いよ帝人くん!?」

そして正臣に問いかける。

「ねぇ、正臣。この下着って臨也さんに貰ったもの?」

「え・・・あ、うん・・・なんか無理矢理・・・」

「そっか。・・・うーん、僕がこの人殴るのも良いんだけどさ、もう到着したみたいだから。」

その時どこかでズボッと何かが抜ける音。

「え、まって、俺死亡フラグ?」

「いいぃぃぃぃぃぃぃざぁぁぁぁぁやぁぁぁぁぁぁぁくぅぅぅぅううううううんんんん?」

「あ、静雄さんだ。」

「うそ、シズちゃん?逃げなきゃ。正臣くん、バイバイ!」

「逃げんなてめぇぇぇぇ!」





ドンっ!ガシッ!バコンッ!と普通じゃあり得ない効果音が響き、続いてらめぇぇぇぇぇぇ!という叫び声。

「じゃあ正臣、行こうか。」

そんなことは露程も気にしない帝人はさっ、と正臣の手をとった。
















結局あれの行方は。

(ま、正臣く、それ、穿いてっ・・・!)(街中でスカート捲るバカが居るかぁぁぁぁ!)







もう何が書きたかったのか分からないよ私・・・
とりあえず正臣をツンデレに戻せて良かったです。
では夜音様正誕リクエスト協力ありがとうございました!



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