全てを飲み込む拒絶の白
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不安定。

そう、不安定なのだ、彼も、俺も。


帝人と初めて会ったのはどっかの公園。
帝人の第一印象は・・・・正直言って、覚えていない。
なぜならそのころの俺は自我があったのかすら怪しいからだ。
ただ、幼心にも彼からは何だか不思議な空気を感じ取っていた。

なんだかふわふわしていて、そこに居るのに居ないような、そんな感覚。
だけど、そんなふわふわした彼の隣はなぜか俺には居心地がよかった。



時は過ぎ、色々会って俺は池袋へ引っ越した。帝人とはチャットで会っていたとはいえ、寂しかった。
そして、また時が過ぎ帝人と5年ぶりの再会をしたあの日。




完全に彼は変わっていた。



これは、幼馴染みの勘、とでもいうのだろうか。いや、他の幼馴染みはきっと気がつかない、俺にしか気づけない変化。

帝人の不安定さが増している。
それと、今までは無かった物が彼の裏には見えた。

それはきっと静かな拒絶。

彼がよく携える微笑みは以前よりも白さを増した。彼はものすごく無邪気なのだろう。
その無邪気さ故に、笑顔で壁を作る。

これ以上入ってくるな、と訴えているような、そんな笑顔。拒絶された俺はいったいどうしたら良いんだろうか。ズキズキと胸が痛む。息が巧く吸えなかった。
そして呼び方も、変わってしまっていた。

「あれ、紀田くん??」

小学校の頃は正臣、と呼んでいたのに。あぁ、変わってしまったのだと確信した。
それと同時に痛み続ける自分の胸の奥底にあるこの感情にも気づいてしまった。

いつの間にか俺の双眼からは止めどなく涙がこぼれていた。
「あれ、おかしいな」
「なんで、止まらない??」

いくら止めようとしても止まらない涙は俺のほほに幾つもの筋をのこして地面に吸い込まれていった。



全てを飲み込む拒絶の白

(愛してしまってたんだ、)(お前が俺を拒むのはわかっているのに)


***
なんだこれwww
書いててわからなくなってきたよorz
何故か帝正だったはずが帝←正になってるwww
正→帝っぽいけど帝←正と言い張ってみる。

100320



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