∴準備体操をがんばる



部活が始まる前のこと。ジャージに着替えて先に準備運動をしていると、マネージャーの苗字が来た。お疲れさん、とだけ言ってその場を立ち去ろうとしていたが俺のほうを見てピタリと足を止めた。

「身体柔らかいねぇ…手足長いし。軟体動物みたい」
「誰がイカっショ!」

思わず突っ込むと近付いてきて俺の隣にしゃがみ込んだ。私、体硬いんだよね。とストレッチをしてみせたがなるほど。これは硬いっショ。

「ちょっと押さえつけてみて」
「わかった」

開脚してそのまま上体を前に寝かせる苗字の背中を上から押さえつける。うっ、と下からつぶれた声が聞こえた。

「あ、っ痛い…無理、うっ」
「……。」

エロい。そうだ、次は腹筋してみ、と足首を掴んでやった。え、体硬いの関係なくない?いいから。やってみるっショ。そう言うと苗字は渋々腹筋を始めた。

「…ふ、っく、あと何回…?んっ」
「20回。マネージャーがそんなヤワでいいのか?」
「〜っ!だ、めっ…」

キツさで顔を歪める苗字。良いな、なかなかそそられるっショ。いたらない想像をしていると腹筋を終えた苗字がぐったり寝そべった。

「も、無理っ…立てない」
「……本当腹筋ないな」

苗字の腕を掴んで起こしてやると、少し汗ばんだ首筋と緩んだ襟元から谷間がこんにちはした。

「あれ、どこいくの巻島」
「ト、トイレっショ」

悪いのは完全に俺、だよな。


'140311 pike


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