∴チョコバナナをほおばる



「尽八ー!」

午後10時を回った頃か。裏庭からこっそり顔を出してきたこの娘は名前という幼馴染だ。こうして頻繁に俺の実家に遊びにくる。こっそり来ているつもりだろうが、多分親にはバレていると思う。

「浴衣か、似合ってるぞ」
「ありがとう!花火大会行ってきたのー」

友達とね、と縁側に腰掛けて脚をぷらぷらさせながらはにかむ。少し距離をとって俺も縁側に腰掛けると名前はゴソゴソと何かを取り出した。

「?なんだ?」
「チョコバナナ!あ、尽八の分はないよ」

いただきます、と惜しげもなくソレを頬張る。やけに見入った。…いやらしい。口には出さないがアレの想像し始めるともうアレにしか見えなくなった。

「ん、おっきい…」
「!!」

大きい…だと?頼んだ覚えはないのにそんなセリフもサービスしてくれるのかありがたい。俺の熱い視線に気付いたのか、いる?と聞いてきた。いやいらん。ソレを頬張る名前が見たいのだよ。いやいっそのこと俺のコレを咥えてく…ハッ、いかん。俺としたことが名前でいやらしい妄想をしてしまった。ならん、ならんぞ東堂尽八!名前をいやらしい目で見るなんてそんなそんな

「尽八鼻血出てるよ」


'140310 pike
くぅだらん


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