03.5
オチとか無いです。会話してるだけ
    
「今日、お前いつもより気合入ってただろ」
試合帰りのバスで岩ちゃんがそんなことを言った。自分ではそんなつもり無いんだけど。
「うーん、そうかな。もしそうだとしたら苗字ちゃんが来てたからな」
「好きなやつが来ると頑張るって、小学生かよ」
「ひどい!誰も岩ちゃんの応援来てくれないからって!」
そう言ったあとに俺は気付いた。今日は、岩ちゃんのこと応援していた子がいた。それも苗字ちゃんの隣に。俺の応援をされるかと思ったら岩泉、と名前を呼んでいた。そしてそれに対して嬉しそうにする岩ちゃんがいた。岩ちゃんいつのまにモテるようになったの……そう思い岩ちゃんを見る。
「……何、ずっと見てんだよ」
「今日、岩ちゃんの応援来てた子いたよね!確か、海神さんだっけ?」
確かそんな感じの名前だったと思う。たまに苗字ちゃんと一緒にいるのを見かけたから薄っすらと記憶にある。けっこう可愛い子だった。少し荒い子だった気がする。けど苗字ちゃんと一緒にいるんなら悪い子じゃない気がする。まあ一番良い子は苗字ちゃんなんだけど。
「岩ちゃんって海神さんのこと好きなの?」
何気なく岩ちゃんに聞くと、岩ちゃんは赤くなった。素直だな、なんて思う。
「好きなんだー」
「好きで悪いか」
「全然!むしろ応援する!だって岩ちゃんって良い男なのに俺が隣にいるせいでモテなくて可哀想だし……」
そんなことを言うとすかさず岩ちゃんの拳が俺の腹に飛んできた。
「暴力反対!痛い!……なあ頑張ってよ。幼馴染の恋愛なんて応援するしか無いでしょ。あ、俺の恋の応援もしてね」
「誰がするか!」
そんな会話をしているとバスは青城に到着していた。
  
オマケ話終了
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